



別冊太陽では、これまでに
『水墨画発見』、
『狩野派決定版』、
『桃山絵画の美』、
『江戸絵画入門』と、
日本の絵画を概観するシリーズを刊行してきました。
いずれも、全体の流れを紹介しつつ、新しい視点を持ち込むことで、
「日本の絵画の面白さを再発見しよう」という内容になっています。
で、最新刊の
『近代日本の画家たち』ですが、
編集部のS田によると、これまでとまったく違ったのが、
「日本画/洋画」という区別が明治以降になってできたこと。
そこをどう考えて構成していくかに苦心したようです。
その結果、教科書的な見方をいったん外して、
なるべくフラットな視点(スーパーフラットじゃないですが)から、
近代絵画の面白さを探っていこうという編集になったとのこと。
監修は東京藝大准教授の
古田亮さん、
執筆は塩谷純、蔵谷美香、鶴見香織、小倉実子、中村麗子、大谷省吾、
鈴木勝雄、植田彩芳子、宮本久宣、児島薫、足立元の各氏です。
ちなみに写真は、上から順に表紙、山本芳翠「浦島図」、
岡村宇太郎「日没頃」(担当S田が一番印象的だったそう)、
横山大観「夜桜」(右)と菱田春草「落葉」(左)の各部分です。
ご参考までに、日本の近代絵画を再考する展覧会としては、
「揺らぐ近代 日本画と洋画のはざまに」
(2006年、京都国立近代美術館)があり、
同館のサイトの展覧会風景や議論の記録が参考になります。
あと個人的に、本書未収録で好きな作品をひとつあげると、
高橋由一の「豆腐」という、豆腐と焼き豆腐と油揚げを描いた絵。
「おお・・・まごうかたなき豆腐がここにある!」という感動があります。
鮭ももちろんいいんですが、豆腐も最高。
これについては、
赤瀬川原平さんのエッセイをどうぞ。
この本をじっくり見て、読むと、美術館にいつもかかってる絵も、
面白いなあ・・・ということがよくわかりますよ。