2008年12月29日月曜日

すごい本屋とすごい服


和歌山の山間にイハラ・ハートショップという書店さんがあって、
その毎日をつづったのが『すごい本屋!』(朝日新聞出版)。

開店のいきさつから、仕入れや販売の実際、
そして『怪傑ゾロリ』の原ゆたかさん、
昆虫写真家の今森光彦さんたちとのイベントなど、
本を通して、地域の子どもや大人が繋がっていく様子が、
てらいのない文章で描かれていて、素敵な一冊です。

Googleマップで見ると和歌山のほんとに山間。
おれの実家よりすごい・・・。
こんなところ(失礼)に本屋さんがあるんだ・・・。

この本の最後に登場するのが都築響一さん。
都築さんもまた、取材がきっかけで講演会をされたそうです。
その都築さんの新刊は『着倒れ方丈記』(青幻舎)。
長年連載されていましたが、ようやく本になりました。
服が好きでたまらない人たちの暮らしが紹介されていて、
ぱっと見、興味本位の取材に誤解されるかもしれませんが、
都築さんの他の本と同じく、対象への愛情を感じる一冊。

どちらも「めずらしい」「レア」「ディープ」と、
一言で片付けるのはもったいない、
リアルな日本の姿が丁寧に描かれていておすすめです。
書店の棚ではまったく別のコーナーに置かれるはずですが、
並べてみると面白いかもしれません。

2008年12月28日日曜日

表参道を黒く塗れ?



先日ご紹介した森山大道さんの展覧会のひとつ、
「Daido Moriyama HOKKAIDO」を見てきました。
会場はラットホールギャラリー
先週末からスタートして、2009年2月8日(日)まで開催。

四つ切のモノクロプリントが計75点(タテ18点、ヨコ57点)。
写真集(660ページ、限定1,500部)はあまりに重いので、
今日のところはとりあえず断念して、プリントを凝視。

・・・なにがどうすごいのか言葉にできませんが「写真」だ。
昔とか、懐かしい、とかそういうのではなくて、
いまここに写真がある、というほかない写真。

ところでモノクロ(というか黒)といえば、
展覧会のあと骨董通りでみたコム デ ギャルソンの予告。


今度は何をやるつもりなんでしょうか。
Paint it Black?

2008年12月27日土曜日

東京堂書店のウィンドー


今日の東京は空が青いぜ。

写真は東京堂書店さんのウィンドー。
ベスト10、書評本、おすすめ本などが陳列されています。


平凡社の本はあるかいな・・・と覗いてみると、


書評では末延芳晴さんの『森鴎外と日清・日露戦争』が、
水村美苗さんの『日本語が亡びるとき』の隣にありました。

ベスト10(東京堂さんならではの書目が並んでます)では、
松岡正剛さん『白川静 漢字の世界観』が9位に。
10冊のうち新書はこれだけなので、新書では1位ということか?

さて・・・年末年始は何を読むかな?

『ブルーノート100名盤』

本日より会社は年末年始の休業日に入りました。
が、「今日の平凡社」は営業しております。
とはいえ、実家の山の中はネットがつながらないので、
更新できない日もあるかと思われますが・・・。
(ま、そこまでやらなくてもね)

ところで、以前ご案内したアンケート
「ブルーノート私の3枚」が締め切られ、
これをもとにした新書『ブルーノート100名盤』が、
来年1月16日以降より発売になります。

写真はブルーノートクラブの会報誌。


ほんの少しだけご紹介すると、

20位 デクスター・ゴードン『ゲッティン・アラウンド』
19位 ハービー・ハンコック『スピーク・ライク・ア・チャイルド』
18位 ボビー・ハッチャーソン『ハプニングス』

・・・あとは本が発売されたときにチェックしてみてください。

おれが好きなアレ(ピアノの天才)は13位、だそうです。
F代が選んだアレは入ってるかどうか・・・?

2008年12月26日金曜日

とうとう2008年の納会

年末ゆえ、飲み会の写真が多いのはしかたないのですが、
と、聞かれてもいないのに自己弁護しながら、また飲み会。

平凡社では毎年恒例で、最終日の定時から納会が開催されます。
場所は営業部の特設会場+α。
つまり宣伝課のちょっと広いテーブルを片付けただけですが、
いただいた&買ってきたお酒や、つまみが並びます。



ノンキといえはノンキながら、いちおう1年のケジメでございます。



外はすっかり真っ暗・・・平凡社の入っているビルだけが、
煌々と明かりがともっています。


本日でいちおう、平凡社の2008年は終わりでございます。
読者のみなさま。
書店のみなさま。
発送のみなさま。
取次のみなさま。
製本所のみなさま。
印刷所のみなさま。
校正者のみなさま。
デザイナーのみなさま。
出版社のみなさま。
新聞社のみなさま。
広告代理店のみなさま。
各メディアのみなさま。
著者のみなさま。
ほかにもお世話になったみなさま・・・。

今年も1年ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
やってよかった! という仕事をやりたいですね、来年も。
やっぱり本を作って、売っていただいて、読んでいただいて・・・
っていいですよね、一度やるとやめられないです。

では・・・みなさま、よいお年を!


・・・といいつつ、ブログはまた更新するかも?

『白川静』3刷決定!


松岡正剛さん『白川静 漢字の世界観』、3刷が決まりました。
出来日は年明け、2009年の1月16日(金)の予定です。

すでに読んでくださったみなさま、
売ってくださっているみなさま、ほんとうに感謝です。
これからもよろしくお願いいたします。

1月18日(日)に書評が出るといいなぁ・・・
いや一週間おいて25日(日)のほうがいいかも・・・
と、あてもなく願望&思案中でございます。

「大人のお金力養成講座」第5回


石原壮一郎さんとカラスヤサトシさんのウェブ連載、
「大人のお金力養成講座」の第5回がリリースされました。

今回のお題は、

 エコを口実にした母親の無駄遣いを止めたい問題

「最近の洗濯機は、昔のに比べて電気も水も節約できるらしいわね。
地球環境のために、思い切って買い替えようかしら」
って、いまの洗濯機、まだぜんぜん現役で使えるじゃん・・・。

とまあ、こんな、対応に困る経験をされた方も多いかと思います。
この難問に、石原&カラスヤコンビが鋭く切り込みます。
平凡社のトップページのバナーからごらんください。

なお、2009年の年明け早々には、川上弘美さんの「東京日記」、
100%ORANGEさんの「SUNAO SUNAO」、
フジモトマサルさんの「夢みごこち」もリリースされます。

さらに、新連載もスタート予定、楽しみにお待ちください。

『悶々ホルモン』で悶々

年の瀬になって・・・出ました!

佐藤和歌子さんの新刊、『悶々ホルモン』
『モーニング』連載時から愛読していましたが、
単行本は新潮社さんから。


食って、飲んで、考えて、堂々巡りして。
一人のときも、友人と過ごすときも、いつもホルモンがある。

読後感は、ホルモンを焼く煙が目にしみて、
涙がにじんだときのような、旨いけど微妙に切ない気分。
クレイジーケンバンドの初期の名曲、「けむり」を思い出したり。

書き下ろし番外篇では、師匠の「ダーフク先生」も登場し、
祇園のあの店(ここは騙された気になるほど旨い)に、
佐藤さんを案内したりします。

読了後、近所にホルモン屋がないので、
しかたなくセブンイレブンの新商品、
「ピリ辛中華風モツ」を購入して試食してみましたが、
う~ん・・・ホルモン欲がむしろ高まっただけでした。
(胡麻油を少したらすと、ちょっとマシ)


■追記
千松信也さんの『ぼくは猟師になった』
と併読するといいかもしれません、なんとなく。

草思社の新聞広告


今朝12月26日(金)の朝日新聞に、
草思社さんの半5段広告が掲載されています。

思えば、今年はあの衝撃的なニュースで始まりました。
文字通り、背筋に冷や汗が流れるような気分でしたが、
・・・あれからもう、1年が過ぎたのか。

草思社さんの広告は参考にさせていただいていたので、
また半5段を掲載されるようになってうれしい気持ちであります。

社長の2008年回顧対談(4)

本日12月26日(金)は平凡社の最終営業日。
2008年回顧ホッピー対談も、いよいよ最終回です。


N島:そんなわけで駆け足で回顧してきましたが・・・。

社長:最後を飾るのが、なんたって白川静先生なんですね、
わが社は。

N島:11月に出た松岡正剛さん『白川静』がブレイク中で、
刊行1週間で大増刷決定。

社長:「白川静への初の入門書!」ってキャッチは秀逸だよ。
「白川漢字学」の入門書はあるけど、
評伝と思想が一体化しているという点で、文字通り、初の入門書。
松岡さんは『遊』の時代から白川先生とお付き合いがあるし、
著者とテーマの組み合わせがバッチリでしたね。
内容面で画期的なのは、
『初期万葉論』『後期万葉論』をきちんと取り上げたこと。
この本が触媒となって、
これからいろんな人に波及すると思います。

M月:私も、飲み屋でよく会うおじさまが「買ったよ」って。

社長:もっちーも地道に飲み屋営業をしてるわけね(笑)。

N島諸星大二郎『孔子暗黒伝』から入って、
白川『孔子伝』が正式なルートですよね。

社長:何言ってんですか、酒見賢一『陋巷に在り』ですよ(笑)。

N島:俺はそうだったんですよ~。

A立:N島君、マニアックだな(笑)。

社長:あとブレイクしたということでは、
原丈人さん『21世紀の国富論』ね。

N島:盆休み最後の日曜に原さんがテレビ出演されて、
翌日からのバタバタは忘れられないです。
書店さんにもご迷惑をおかけしましたが、すごかった。

社長:あと非売品だけど、
F代さん定年記念の『ホッピー対談 総集編』ね。

N島:小田光雄さんが、これと筑摩書房の田中達治さんの
『どすこい 出版流通』を評して「出版営業時代の終焉」
とコメントされて、じゃ俺はどうすればいいんだ(笑)。

社長:論創社のウェブの小田さんの
「出版状況クロニクル」はね、
いろんな意見はあると思うけど、読んでおくべきだよ。
あとはA立君が6月から始めたブログ「今日の平凡社」ね。
私はあちこちで言いふらしまくってるんだよ。
わはははは。

A立:まったく金がかからない販促(笑)。

社長:最後に、もう一つだけね。
4月から朝日新聞で始まった
斎藤美奈子さんの文芸時評は出色です。
いままでの文芸時評って、
昔のスタイルにとらわれて難しいことばかり言ってるわけ。
でも斎藤さんはね、
平たく言うと「読書のススメ」なんですよ。
自分の意見をきっちり書きながら、
本の世界って面白いからもっと読んでねって言ってて、
すごく重要だと思うんだ。
最高ですよ。
で、いよいよ始まる「今年の他社本」の話ですが、
スペースなくなっちゃったね(笑)。
「今日の平凡社」に委ねてるのでアクセスしてください。

N島
:では・・・。

一同:今年もありがとうございました、
来年もよろしくおねがいします!

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平凡社の1年をダイジェストで振り返りましたが、
いかがでしたでしょうか。
このあと2軒目(歌舞伎町東通りの某バー)に移動し、
話題は尽きなかったのですが(オフレコ含めて)、
このへんでとりあえず、おしまいとさせていただきます。

平凡社は本日26日(金)が、2008年の最終営業日
12月27日(土)から1月5日(月)まで、
暦の都合で通常より長い休みとなりますが、ご了承ください。
2009年は1月6日(火)より営業スタートです。

では、対談の最後に、サービスショットを。


2008年12月25日木曜日

ホンマタカシ「Mountains」展


ホンマタカシさんの写真展「Mountains "Seeing itself"」が、
表参道にあるART&SCIENCEのdisplayにて開催中です。
会期は2009年の1月18日(日)まで。

服部一成さんの事務所にうかがう途中に見てきました。
各地の雪山を撮影した写真で、双眼鏡が置いてあります。
あとはご自身で体験してみてください。
「・・・おっ、キタキタキタ~」という感じで、すごく面白いです。

なお『ホンマタカシ よゐこのための写真教室』が、
平凡社から来年3月に刊行の予定、お楽しみに。

ジュンク堂書店札幌店


12月20日に、ジュンク堂書店札幌店さんがオープン。
東北・北海道担当のN島がおうかがいしてきました。


場所は、札幌市中央区南1条西1-8-2 丸井今井南館B2~4F。
平凡社ライブラリーもビシ~ッと置いていただいています。


松岡正剛さん『白川静 漢字の世界観』は、新書部門で6位。


ちなみに下の写真は、
アパホテルの部屋に置いてあった、
例の論文が載っている冊子だそうです。

【書評】白川静 漢字の世界観


松岡正剛さん 『白川静 漢字の世界観』
の書評が、『新潮45』1月号に掲載されました。

「漢字の究明は、日本の心の探究である」という見出しで、
評論家の稲垣真澄さんが執筆されています。
以下はその一部の抜粋。

 有名な[・・・]「口」部の説明(呪言を入れる容れ物)も、
 多くの漢字を産み出す母胎の一つとして
 新たに「漢字マザー」の名称を与えられ、
 他の漢字マザーとともに
 本書でもさまざまに繰り返されるけれど、
 何度聞いてもスリリングだ。

 本書で強調される白川学のもう一つの核心は
 次のことである。
 中国生まれの漢字は、
 日本人には決して外国の文字ではなく、
 国語を形作る上でなくてはならぬ国の文字、
 「国字」であるということ。
 白川が漢字の世界に注ぎ入れたあれほどのエネルギーも、
 結局は漢字の究明は日本語、国語の解明であり、
 われわれ自身の精神の淵源を探ることにほかならない
 という確信があったからこそ、というのだ。

リーブルなにわさんと対談


ハイボールN島が先週末、北海道に出張してきました。
で、リーブルなにわさんとホッピー対談。

4時間ほど(相変わらず長いN島)お話をうかがったそうで、
おつきあいいただき、ありがとうございました。
対談はこれから(年末~年始)にまとめ、
「今日の本 明日の本」3月号に掲載させていただきます。

『逝きし世の面影』


先ほど中井久夫さんのインタビューをご紹介したあと、
思いたってネットで検索すると、
松岡正剛さん『千夜千冊 放蕩篇』で、
『逝きし世の面影』にかんするテキストを見つけました。
(第千二百三夜、2007年10月15日)

『逝きし世の面影』だけでなく関連する本も論じられ、
これまた読みごたえがありますので、
ぜひリンクして読んでいただきたいのですが、最後に、

 附記 本書はもともとは「週刊エコノミスト」に
 『われら失いし世界』と題されて連載されていた。
 そのためか、繰り返し、似たようなテーマが展開されている。
 しかしそれが、なんだかこの日も、あの日も、
 その縁側の光景に立ち会えたような気分になって、心地よい。
 そういう著書なのだ。

とあり、初出は『週刊エコノミスト』だったことを思いだしました。

転換期はカーブをゆっくり曲がろう



『週刊エコノミスト』12月23日号(先週号)の、
「ワイドインタビュー 問答有用」に、
精神科医の中井久夫さんが登場されていました。

紹介が遅くなりましたが、
「転換期はカーブをゆっくり曲がろう」という見出しで、
ご自身の来歴から現代社会の問題についてまで、
4ページにわたって掲載されています。
中井さんらしい、柔らかく、そして芯の通ったお話は、
読みごたえあり。

またインタビューの最後には、

 ――若い人たちに、何かメッセージを。

 中井 渡辺京二さんの『逝きし世の面影』という本を
 多くの人に読んでもらいたいですね。
 
 幕末から明治にかけて日本を訪れた外国人たちの
 訪日記を読み解いたもので、
 子どもを心から愛し、大切にする大人たちや、
 無邪気でありながら時に応じて威厳を示す子どもたちなど、
 本当に愛おしくなるようなかつての日本が
 描き尽くされています。
 愛国心とか日の丸とかのレベルではない、
 心のふるさととしての愛おしい日本のたたずまいです。
 
 最初に「改革はスピードを落としてから」と言いましたが、
 そもそも改革の是非といったことも、
 この本を読むと考えさせられます。
 (・・・)
 むやみに「発展」をめざさない。
 転換期だからこそ、カーブはゆっくり曲がる。
 現代の日本に必要なのは、そういう姿勢だと思います。

年末にとてもいいインタビューを読んだ気分です。

社長の2008年回顧対談(3)

今年の平凡社営業日も残すところあと2日。
社長とN島の2008年回顧もいよいよ佳境に・・・。


社長:レファレンス系では『日本の外来生物』
これは非常に面白い図鑑で、
すっかり馴染んでる植物も外来生物なんだっていう、
不思議な驚きがある。
それと『新版 東南アジアを知る事典』は、
ほとんどゼロから作った事典です。

N島:地図では、プレミアムアトラス『日本地図帳』『世界地図帳』

社長:『ベーシックアトラス』の成功を受けて、
さらに上を目指して、若手2人が必死に考えて世に問うた。
売り上げもじわじわ上がってきてるよね。

N島:次は別冊太陽
今年は『河鍋暁斎』が、京都国立博物館で
大規模な展覧会があったこともあり増刷しました。

社長:いま江戸時代のグラフィックが再評価されてるよね。
春画も含めて、そこに光を当てた編集部はたいしたもんだよ。
10年前だったら一般的には河鍋暁斎って誰? って感じでしょう。
これからも売れ筋をどんどん発掘してほしいですね、
狭くならないように注意しながら。
別冊太陽ではあと、待望の『続 春画』
行為のシチュエーション別に構成されていて、
実用性は1冊目より高いんじゃないかと(笑)。
それとね、コロナ・ブックス『春画の見かた』
書いてあるセリフを酔っぱらって朗読すると面白いんだよ。

N島:あはははは、どこで朗読してるんですか(笑)。

社長:私の山仲間の男どもに薦めて、
みんなで読みながらゲラゲラ笑ってるわけ。

N島:山の向こうから、コダマが返ってきたり(笑)。

社長:明るい感じで笑えるわけよ。

N島:カラッとしてるってことですかね。

社長:そう単純でもないんだな、
その微妙さは子どもにはわかんないね、わはははは。

N島:すいませんでした~。
2009年には『春画』の第3弾も出ます。
新書では7月に出た八代嘉美さんの『iPS細胞』
山田和さんの『魯山人の美食』が好調で、
特に『iPS細胞』は筒井康隆さんの推薦文と
瀬名秀明さんの書評もあって、
6万部を超えてず~っと売れ続けてます。

社長:あれはいい書評だったね。
編集者って、自分は理科系苦手で・・・
ってよく言うけど、関係ないよね。
専門家じゃないんだし、苦手だからこそ自分でもわかる、
つまり読者もわかる、って本を作ってほしいです。

N島東洋文庫に移ると、
『完全版 知恵の七柱』全5巻の刊行が始まりました。

社長:私は個人的にロレンスが好きでね。
今回は完全版ということで
待ってた人もすごく多かったと思うんだよ。
戦争家で詩人という、不思議な人物でね。

N島:とんでもない人ですよね。

社長:夢破れた男なんだけど、ものすごく面白い本です。
そういうのも出ると思えば、
戦前に内務省が作った『流行性感冒』も出ちゃうところが、
東洋文庫のいいところ。

N島:次に平凡社ライブラリーですが、
今年は創刊15周年で営業のS田君が頑張って、
棚の入れ替え、記念フェア、15冊の一括復刊をやりました。

社長:9月新刊の『ウェイリー版 源氏物語』の刊行開始と
マルクスの『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』だね。

(明日で最終回です)

2008年12月24日水曜日

【書評】破戒と男色の仏教史


編集部のF田からメールが届きました。

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A立さま

『破戒と男色の仏教史』
の書評です。

1)「ひじる日々 東京寺男日記」
 『破戒と男色の仏教史』とその周辺
 どうも自分よりも年下の人で、著書もあります。
 『白川静』もあがってますね。

2)「寺日誌」
 『破戒と男色の仏教史』
 この人も仏教関係の方のよう。

3)「実録 亞細亞とキネマと旅鴉」
 「結局何人だったのでしょう?」
 タイトルで買ってくださったらしい人。

4)「シルバーバックとはずがたり」
 「戒律と仏教」
 オビに言及あり、というもの。

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ブログで書いてくださっているみなさま、ありがとうございます。
F田君、グッジョブ。

メール送信日時を見ると「2008年12月23日 19:20:57」。
あんたエラいよ、クリスマスイブイブの夜に検索してたなんて・・・。

「キリスト教神学概論」更新


佐藤優さんのウェブ連載「キリスト教神学概論」の
第26回が、クリスマスイブの今日、リリースされました。

今回の題は「神の愛――恩恵」。

平凡社のトップページから入ってお読みください。

『茗荷谷の猫』がベスト5に


本日発売の『週刊新潮』の新年号p.154~の
「Book Selection 私が選んだ『ベスト5』」で、
川本三郎さんが『茗荷谷の猫』を挙げてくださいました。
川本さんのベスト5は以下の通り。

 絲山秋子『ばかもの』(新潮社)
 奥田英朗『オリンピックの身代金』(角川書店)
 木内昇『茗荷谷の猫』(平凡社)
 藤原新也『日本浄土』(東京書籍)
 サマセット・モーム『アシェンデン』(岩波文庫)

どうもありがとうございます!

『白川静』POPです


書店の方から、松岡正剛さん 『白川静 漢字の世界観』
についてメールをいただきました。

 面白いです。ビックリの連続です。
 「言」の下部が「口(くち)」じゃないなんて
 青天の霹靂(←初めて使った)です。
 「読み得本」だし「売り得本」です。
 長く売っていきますので、
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

こちらこそ、よろしくお願い申し上げます。

POP(かわいい)の写真も添付されていましたので、
掲載させていただきました。
どうも、ありがとうございます。

「好奇字展」京都で開催


「好奇字展 白川静と東洋文字文化の世界」が、
2009年の年明けに京都にて開催されます。

■会場・・・立命館大学衣笠キャンパス
       以学館地下多目的ホール
■会期・・・2009年1月7日(水)~1月17日(土)
■料金・・・大人500円、中高生400円、小学生300円

■展示される文字群
 漢字・チューノム(字喃)・モンゴル文字・
 チベット文字・女書・ロロ(彝)文字・ハングル・
 満洲文字・アラビア文字・パスパ文字・
 梵字・フレイザー文字など

■東洋文字コーナ
 ロロ(彝)文字による占いの書・トンパ文字経典・
 チューノム(字喃)の詩歌集・契丹文字碑文の拓本・
 西夏文字の発音字典・チベット文字習字帳など

■白川静コーナー
 自筆原稿・代表著作・甲骨文字トレース・蔵書・
 愛用の電子機器や趣味の品など

概要は立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所
サイトに掲載されていますので、ごらんください。
また、2007年に東京外国語大学
アジア・アフリカ言語文化研究所にて開催された
「好奇字展」についてはこちらをどうぞ。

営業部忘年会

飲みの写真ばかりですみません。

一昨日の12月22日(月)は営業部の忘年会。
会場は会社の近くにあって、
ごく一部で「かつて料理の鉄人で負けた店」
として知られるお店の地下で、酒と豚しゃぶ食べ放題。

O系新幹線の引退を惜しみながら食べまくるN尾。


すっかり寛いだ表情というか、いつもと同じT岐部長。


今回の幹事役ハイボールN島。
「ジローです、よろしく♪」と各テーブルをマメに回っています。



最後はお約束の三本締め、荒れることなく無事終わりました。
あとは三々五々、夜の街に散っていった模様。


みなさまも、オフィシャルな忘年会は終えられた頃かと思います。
さてあと少しで、ほんとに年内も終わり。

社長の2008年回顧対談(2)

社長の2008年回顧対談。
今日はクリスマスイブですが、何の関係もなく続きます。
一昨日「あ、いらっしゃいまし」で唐突に終わって、
なんのことだ? と思われたかもしれませんが、
ここで特別ゲストが加賀屋に参加。


N島:宣伝課のM月さん登場でございます。

社長:総集編でM月さんに
来ていただいたのは初めてなんだよ。
何回もラブコールしていたにもかかわらず、
振り向いてすらくれない。

M月:気づきませんでした、社長(笑)。

社長:はっきり言えないタイプなんだよ、私は。
気が弱くて(笑)。

N島:今夜はいい機会ということで、
交流を深めていただいて。
で、増刷というと、『ナガオカケンメイのやりかた』も3刷です。

社長:一種のビジネス書というか、
若い人に別の生き方、仕事の仕方を提案した。
ナガオカさんの考え方って、
正しい意味でのエコロジーだよね。

N島:インディペンデントでカッコいいですよね。
カッコいいというと細野さんも。

社長『細野晴臣 分福茶釜』
縁側でお茶飲んでる写真、よかったね。

N島:現在3刷です。
これまた3刷なのが、木内昇さんの小説『茗荷谷の猫』
書店の文芸担当の方に好評で、書評もずいぶん出て、
さらに『ダ・ヴィンチ』のプラチナ本に選ばれ、
「王様のブランチ」でも紹介されました。
じっくり伸びていきそうな本ですね。

M月:読み手の発掘心をくすぐりますよね。

社長:おっ、さすがもっちー。

A立:こういう本にぜひ「本屋大賞」を差し上げてほしいな~。

N島:1月12日が一次投票の締め切りらしいんで、
まだOKですよ。
書評といえば『森鴎外と日清・日露戦争』
すごい書評の数で、増刷しました。

社長:末延芳晴さんと担当のS下さんによる、
渾身の1冊だね。

N島:恒例、五木寛之さんの「発見シリーズ」は
玄侑宗久さんとの『息の発見』

社長:文字通り、丁々発止という内容でした。
新潮新書の『人生の覚悟』がバカ売れしておりますが、
五木さんって、
みんなが望んでいることを言葉にする力がすごいよね。

N島『制度即解! 裁判員になってもあわてない本』
はどうですか。

社長:内容、定価、販促とも
わが社としてはチャレンジ企画だよね。
すでに通知が届いてる人もいると思いますが、
実施は来年の5月だし、これからですよ。

N島:コミックでは4月に有吉京子さんの
『SWAN 白鳥』愛蔵版全12巻が完結。

社長:最後まで部数が落ちなかったっていうのは、
作品の力だよね。

N島:2009年の2月には『まいあ』の第3巻も出る予定です。

社長:そういえばN島君の肝煎りで
『SWAN』のケータイ配信始めたんでしょ?

N島:書店さん向けの対談で宣伝するのもなんですが、
12月中旬から開始しました。

(明日に続きます)

2008年12月22日月曜日

『月刊百科』1月号できました


『月刊百科』の2009年1月号が、できあがりました。
これから発送にかかりますので、少しお待ちください。

巻頭は、大隅和雄さん、阪下圭八さんによる、
去る9月にご逝去された西郷信綱さんへの追悼文。
さらに、久世朋子さんの新連載、
「テコちゃんの時間 久世光彦との日々」が始まりました。

表紙は2008年に引き続き、服部一成さん。
「月刊百科」の文字がゴシック系に変わって、力強い印象。
猫も口を大きく開けて、新年のスタートを叫んでいます。
今年のおれは、やるぜ、オラ~! みたいな(?)。

連載も充実してきた2009年の『月刊百科』、
これまで同様にご愛読をお願いします。

・・・と言いつつ、年内に2月号も校了しなくては。
スレスレの年末進行でございます。

ところで、下の写真は、
先日ご紹介した「仲條服部八丁目心中」のポスター。


 正義改心! 一成有頂天?

なんか不穏な雰囲気が漂っているようでもあり、
かつての中国の壁新聞のようでもあり・・・。
ちなみにポスターのデザインは葛西薫さんだそうです。

詳細はクリエイションギャラリーG8のサイトをごらんください。
改心された仲條さんと有頂天の服部さんの新作、楽しみです。

【受賞】『近代日本と小笠原諸島』


石原俊さん『近代日本と小笠原諸島 移動民の島々と帝国』が、
2008年度の「日本社会学会奨励賞」を受賞しました。
石原さん、どうもおめでとうございます。

ご参考までに、本書の帯の文章を掲載しておきます。

 近代史像を内破する

 世界各地から船乗りたちがやってきた、
 移動民の島々、小笠原諸島(ボニン・アイランズ)。
 日本帝国に帰化させられた移動民は、
 近代をどのように生き抜いたのか。

 史資料の博捜と丹念なフィールドワークに基づいた
 貴重な実証研究

なお、本書の書評はこちら
これまでの「日本学会奨励賞」受賞作はこちらで、
それぞれ見ることができますが、
2回目が『民主と愛国』だったんですね。

『白川静』ランキング(11)


はや11回目となる、
松岡正剛さん 『白川静 漢字の世界観』のランキング。
以前もご紹介した、大阪の旭屋書店本店さんの、
12月15日~12月21日分です。

『山口組概論』が8位、と土地柄(?)を感じさせるほか、
金融危機関連の本がどっさりランクインしているなかで、
『白川静』は5位。

いつもありがとうございます。

私家版 2008 私の3冊


12月19日のエントリー「平凡社版 2008 私の3冊」の最後に、

 たまたまこれを読んでくださっているみなさんの、
 「今年の3冊」も教えていただけますと幸いです。
 差し支えなければ、掲載させていただきますので、
 以下宛にメールをお待ちしております。
 12月25日(木)まで、首を長くしてお待ちしております。

 宛先:平凡社営業部販売2課A立

というお願いを掲載したところ、
岐阜にお住まいの方からさっそくご回答をいただきました。

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★窒化水素さん

さて、今年の3冊ということですが、
次のものを挙げさせていただきます。

蓮實重彦 『映画崩壊前夜』(青土社)
蓮實重彦 『映画論講義』(東京大学出版会)
蓮實重彦 『ゴダール マネ フーコー』(NTT出版)

今年は蓮實氏の映画本が3冊も出るという
稀有な年として記憶されることでしょう。
いずれも世界水準だと思いますが、
なかでも『映画論講義』は伝説のゼミもかくやという華麗さで
映画を批評していらっしゃり、大いに啓発されましたことです。

御社の御本で今年読んだものといえば、

八代嘉美 『iPS細胞』
ウルリッヒ・ベック 『世界リスク社会論』
海保眞夫 『イギリスの大貴族』

の3冊です。

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窒化水素さん、どうもありがとうございます。
たしかに「蓮實重彦三本立て!」という感じでした。
個人的も、『映画論講義』はあらためて、やられましたです。
さらに、『群像』で「映画時評」、『新潮』で「随想」の連載を、
ともに1月号からスタートされるなど、ますます活発な様子。

なお、挙げていただいた平凡社の3冊のうち、
『世界リスク社会論』と『イギリスの大貴族』は現在品切中。
もうしわけございません。

みなさまからのご回答、まだまだお待ちしております。
もちろん仮名、ハンドルネームでけっこうですので、
よろしくお願いいたします。

【書評】『R25』に『iPS細胞』


『R25』
12月19日―01月15日号の、
「週に1冊くらいは本を読もうぜ! R25的ブックレビュー」で、
八代嘉美さんの『iPS細胞』が紹介されました。

『R25』のブックレビューは毎回1テーマ式で、
新刊、既刊を問わず掲載されるのでなかなか面白い。
評者は日比野米斗さんで、以下はその抜粋です。

 前半の読みどころは、長年、再生医療の主役とされながら
 実用化されないES細胞の限界と、
 ES細胞の仕組みを利用してiPS細胞を生み出した
 山中教授らの研究過程だ。
 (・・・)
 後半の読みどころは、
 激化する再生医療とその問題点である。(・・・)
 機械と細胞を組み合わせた「ハイブリッド臓器」や、
 神経を感知して老齢者でも重労働が可能になる
 スーツの研究も進んでいると知ると、空恐ろしい感じもする。

別冊太陽忘年会


別冊太陽の忘年会が、先週末の12月19日に開かれました。
場所は四谷荒木町、某鮨屋の2階。
普段からお世話になっている編集者、デザイナー、
印刷所の方々も多数ご参加いただき、
総勢30名あまりで盛り上がりました。





制作関係者のみなさま、今年もありがとうございました。
来年もまた、よろしくお願いいたします。
読者のみなさま、取次、書店のみなさまにもお礼申し上げます。

なお、2008年に刊行した書目は以下の通りです。

『ルノワール 色の魔術師』
『東山魁夷 日本人が最も愛した画家』
『鏑木清方 逝きし明治のおもかげ』
『河鍋暁斎 奇想の天才絵師』
『良寛 聖にあらず、俗にもあらず』
『続 春画 色模様百態』
『近代日本の画家たち 日本画・洋画美の競演』
『内田百閒 イヤダカラ、イヤダの流儀』
『韓国・朝鮮の絵画』
『千利休 「侘び」の創造者』
『365日、まいにち絵本!』
『パール・ジュエリー』

社長の2008年回顧対談(1)

いよいよ年末も押し迫ってまいりました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

平凡社は毎年12月28日が締め日なのですが、
今年は暦の都合により、26日(金)が仕事納め
今週で2008年は終わりになります。
平年に比べ2日足りないわけで、痛し痒しのうえ、
みなさまに、ご不便とご迷惑をおかけしますが、
とにもかくにも、とりあえず今週一杯で今年はおしまい。
(なお、年始は1月6日(火)よりスタートします)

そんなわけで、『今日の本 明日の本』2月号掲載の、
ホッピー対談恒例「社長とこの1年を回顧する対談」を、
4回にわたって掲載いたします。

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N島:今回は年末恒例、今年1年の回顧というわけで、
徹子の部屋でいうとタモリにあたる下中直人社長と
加賀屋に来ております。
(注:「徹子の部屋」では、毎年の最後のゲストがタモリであることを指す。
ちなみに今年は12月26日に出演で、
予告によると「32年前初出演の衝撃事実発覚」だそうです)


社長:ホッピー対談の原点に戻って(笑)、
本拠地からお届けします。
2008年は、景気は悪いわ、出版業界全体は厳しいわで
大変な年だったんですけど、
わが社は毎号のホッピー対談を見るごとく
変わらぬモードで頑張っておりますことを、
まずお伝えしておきます。

N島:あははは。

社長:いつもノーテンキで(笑)。
ま、そういうことで、F代さんを引き継いだN島君に
助けてもらいながらやりますか。

N島:まず単行本から。
年の初めに、720ページという重量級の人文書が出ました。

社長『ドゥルーズ/ガタリの現在』ね。
A立君、説明してよ。

A立:あっ、俺?(笑)
え~、今年はようやく『シネマ1』の翻訳が出て、
ドゥルーズの訳が揃ったんですね。
あと新訳や文庫化もかなり進みました。
それと並行して台頭してきた
若い世代の研究者が集結した論集がこの本です。

N島:的確なまとめ、ありがとうございました(笑)。
人文書は売れない売れないと言いながらも、
これは重版しました。
で、担当したM井さんが新書の編集長になりまして。

社長新書ライブラリー東洋文庫の編集長が
すべて替わって、2008年はリレーで言えば
バトンタッチのゾーンをしゃかりきに走ったと。
バトンがうまく渡ってググッと伸びるかどうかは、
2009年に証明されます。

N島:毎年そんなこと言ってるような(笑)。

社長:つねに明日を見ているということだよ(笑)。
あ、いらっしゃいまし。

(明日に続きます)

2008年12月20日土曜日

幸せもたらす企業を育てる


本日12月20日(土)の朝日新聞朝刊の別刷「be」の1面、
「フロントランナー」に、『21世紀の国富論』の著者、
原丈人さんが登場されています。

見出しは、

 幸せもたらす企業を育てる

写真は「サハラ砂漠以南のアフリカ諸国の大使らに囲まれて」。
原さんならではの、信念にもとづいたダイナミックな活動が、
記事からも伝わってきます。
写真からもうかがえると思いますが、
原さんは、お会いすると、温厚かつ飄々とした雰囲気で、
人を明るくし、勇気づける方です。

以下、記事からいくつか抜粋。

 マイクロソフトの強敵だったソフト開発会社など
 数々の企業を育ててきた。
 株主ばかりが儲かる「株主資本主義」を真っ向から否定、
 多くの人が幸せになれる「公益資本主義」を唱える。
 最貧国で興す事業で、そんな持論の真価を自ら問う。

 (・・・)ポスト・コンピュータの時代には、
 これまで先進国がたどったプロセスを経ることなく、
 途上国が新たな産業の担い手と
 一気に駆け上がる可能性がある」と言い切る。
 そんな信念は、
 「何より国民に希望を与えてくれる」
 (ザンビアのゴッドフリー・シマシク大使)
 と、途上国の人々の心をつかむ。

 新しい時代の基幹産業は、
 新しい経営理念で営まれるべきだ――。
 公益資本主義の考えを温めたのは10年以上も前のことだ。
 それをいぜんとして世界経済に大きな影響力を持つ
 米国から発信することに意味があると信じている。

また、原さんへの人物評も興味深いです。

 「こうと決めたら、すぐ動く。
 利害関係の調整に忙しい
 政府の途上国援助(ODA)とは大違い」
 (ボツワナのモツハワエ大使)

 とらわれず、己の信じるところを進むのは
 「この人のDNAのようなものだ」
 (富士ゼロックス相談役最高顧問、小林陽太郎氏)

これまで何度か紹介していますが、
原さんについては「ほぼ日」の糸井重里さんとの対談も、
ぜひお読みください、すごい反響があったとのことです。

12月の全5段広告



今朝の朝日新聞朝刊(東京本社版)2面に、
平凡社の定例全5段広告が掲載されました。

12月は新刊の発売日が通常月より早く終わるため、
新聞広告もいつもより1週間ほど早くなっています。

なお、名古屋圏から中・四国は明日21日(日)、
九州はあさって22日(月)の掲載となります。

2008年12月19日金曜日

平凡社版 2008 私の3冊(3)


平凡社内のアンケート「私が選ぶ2008年の3冊」、その3回目。
今回も5名からの回答を掲載します。
あいかわらずバラバラでございます。

なお、これまでの結果はこちら。

平凡社版 2008 私の3冊(1)
平凡社版 2008 私の3冊(2)

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★営業部T

1)重村智計 『金正日の正体』(講談社現代新書)
 ご本人はナニで、にせものが病気?
 話もすごいけど、これを書く著者もすごい。

2)井上章一 『日本に古代はあったのか』(角川学芸出版)
 考えたこともなかったけど、そういわれてみればそうかぁ。

3)網野善彦 『日本の歴史00 「日本」とは何か』
 (講談社学術文庫)
 単行本で読まなかったもんで。
 あらめて読み始めると、網野先生の一貫性に感動。
 いまさら言うなよと言われそうだけど、ウチで(以下省略)。

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★営業部M

   今年はあまり読まなかったし、
     記憶力ダメで忘れちゃって出てこないです。
課長 ダ~メ。今年刊行でなくてもいいから絞り出して。
     課長命令よっ。

ということで、

「今年よく開いた本」

山本鈴美香 『エースをねらえ!』(集英社)
 私の哲学書なもので。

組版工学研究会編 『欧文書体百花事典』(朗文堂)
 欧文書体の制作者や歴史的背景を時間に沿って紹介した、
 装幀も素敵な史料集。
 とかいって私はパラパラ眺めるだけですが、
 図版が楽しくって結構開きました。

有元葉子 『うちのおかず12か月』(家の光協会)
 体調崩して食べられなかった時によく見てました(入院中とか)。
 旬のものをいただこうという構成がいいです。
 ちゃんと生活しようという気になるのでした、その瞬間は。

須賀敦子 『須賀敦子全集』(河出文庫)
 最近読みはじめたのですが・・・。
 久しぶりの須賀敦子。いいです、やっぱり、なんとはなしに。

あ、思い出しました、「今年刊行の本」

立川談春 『赤めだか』(扶桑社)
 単純に面白かったです。

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★営業部H

エイミー・ベンダー『わがままなやつら』(角川書店)
 砂漠で水を欲するがごとく待望していたエイミー・ベンダーの新刊。
 タイトルの訳からして秀逸でした。らぶ。

内堀弘 『ボン書店の幻』(ちくま文庫)
 オリオン書房ノルテ店の白川さんにすすめていただいた本。
 生きることの美しさに溢れた1冊。
 「文庫版のための長いあとがき」泣けます。

花沢健吾 『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(小学館)
 『よんでますよ、アザゼルさん』にしようか悩んだのですが・・・。
 今年の連載終了に敬意を表してこちらにします。
 本作連載中は『スピリッツ』の発売日が待ち遠しくて、
 早売りのコンビニに走ったりしてました。

 あとは、買ったままでまだ読めてないのですが
 藤谷治さんの新刊『船に乗れ!』(ジャイブ)が楽しみです。
 あと、ポール・オースターの『幻影の書』(新潮社)は今読み途中。
 年末駆け込み読書週間になりそうです。

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★編集部Y

■ジュンパ・ラヒリ 『見知らぬ場所』(新潮社)
 この人の本は、読んでいること自体が快感。

■高山辰雄 『存在追憶 限りなき時の中に』(角川書店)
 高山さんに関しては、今年の遺作展「人間の風景」の図録も◎。
 とりわけ画家ご本人の言葉に心震えました。
 図録関係で言えば、
 『大和し美し 川端康成と安田靫彦』(求龍堂)も保存版です。

 ほかには、今年刊行ではありませんが、
 吉川英治 『三国志』(講談社、吉川英治歴史時代文庫)
 司馬遷 『史記列伝』(岩波文庫)
 中島敦 『李陵・山月記』(新潮文庫ほか)
 には今更ながら、いたく刺激を受けました。

ああ、誰かに「今年の一冊」と言ってもらえる本を作りたい、
とはげしく感じたことでした。

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★営業部S

1)高城高 『凍った太陽』(創元推理文庫)
 無条件にカッコイイ。
 ハードボイルドってそれほど読むわけではないが、
 とても質の高い短編集だと思う。

2)入不二基義 『哲学の誤読』(ちくま新書)
 昨年末に出たので、今年に挙げてもいいかなと。
 大学入試に出題された大森荘蔵、永井均、野矢茂樹、
 中村義道の文章を読み、入試問題を解きながら哲学するという試み。
 これが意外に面白い。たとえば予備校でこんな授業されてたら、
 興奮して眠れなかっただろうな。

3)伊勢田哲治 『動物からの倫理学入門』(名古屋大学出版会)
 とっても親切で、とっても面白い倫理学入門。
 大学の教養の教科書の理想形だと思う。
 今後、(少なくとも英米の)倫理学を勉強する人には
 必読文献になるんじゃないでしょうか。

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・・・さて、今日は金曜日、来週は2008年最終週です。
(この企画の続きがあるかどうかは、週明けに)

たまたまこれを読んでくださっているみなさんの、
「今年の3冊」も教えていただけますと幸いです。
差し支えなければ、掲載させていただきますので、
以下宛にメールをお待ちしております。
12月25日(木)まで、首を長くしてお待ちしております。

宛先:平凡社営業部販売2課A立

【書評】破戒と男色の仏教史


松尾剛次さんの『破戒と男色の仏教史』の書評が、
12月17日(水)の日本経済新聞夕刊、
「目利きが選ぶ今週の3冊」に取り上げられました。
評者は井上章一さんで、以下はその一節です。

 かつての僧侶に、男色の趣味があったことは、
 よく知られていよう。
 この本は、それがどれだけの広がりをもっていたかを、
 往時の史料にそいながらおしえてくれる。

 のみならず、それが日本仏教史とかかわりあうところへも、
 光をあてている。
 史上にしばしばあらわれる戒律復興運動は、
 何をめざしていたのか。
 鎌倉のいわゆる新仏教とは、何だったのか。
 そのことを男色史という背景のなかで、
 わかりやすく説明してくれる。

★★★★(読みごたえたっぷり、お薦め)

【重版情報】平凡社ライブラリー


平凡社ライブラリーの重版情報をまとめてお知らせします。

■重版出来
 イザベラ・バード『日本奥地紀行』
 宮本常一『イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を読む』
 渡辺京二『逝きし世の面影』もあわせてお読みいただければ、
 「失われた日本」の姿がさらにリアルに立ち上がってきます。

■現在重版中
 『加藤周一セレクション』全5巻
 去る12月5日にご逝去された加藤周一さんの選集。
 各巻品切れでご迷惑をおかけしておりますが、
 2009年の年明けには重版出来予定です。

よろしくお願いいたします。

『國立故宮博物院』台湾版

写真は、別冊太陽『台北 故宮博物院』の台湾版。
昨日、編集部に届きました。




構成やレイアウトはそのまま、文字を繁体字に置き換え、
台湾の國立故宮博物院のオフィシャルカタログになりました。
平凡社は「探訪 照片 編輯之協助」とクレジットされています。
定価650元。

ところで、前から気になりつつ調べたことがないのですが、
中国語(簡体字、繁体字問わず)の句読点って、
なぜ「,」「。」がセンターにあるのでしょうか?

「POP箱」リニューアル


なんでこんなところにお菓子の箱が・・・と思ったら、
各種POPを入れる箱でした。
もっちーが合間を見て新調しました、いちおう年末ですし。
ちなみに文字は、いま流行っているらしいマスキングテープ製。
ご入用の書店のみなさま、お待ちしております。

2008年12月18日木曜日

『白川静』ランキング(10)


ちょっと久しぶりの、
松岡正剛さん 『白川静 漢字の世界観』のランキングです。

が。

写真は、営業Hが本日おじゃました、啓文堂書店三鷹店さん
『強欲資本主義 ウォール街の自爆』を抑えて、なんと、

1位!

どうもありがとうございます。

ところで『ウォール街』からの連想ですが、
アメリカのビッグ3、とんでもないことになってますね・・・。

ディスカヴァーの広告


 本日18日の朝日新聞朝刊の全面広告、ご覧いただけました?

はい、ご覧いただけましたですとも。
ディスカヴァーさんの全面広告です。
すごいな~。

ほかにも、社長室ブログの12月16日のエントリー、
「2007-8年、ビジネス書の世界はこう変わった!」は面白いです。
そうそうそう。
でも、わかってるんだけど、できないんだよなぁ・・・。

【明日】柳田邦男さんが絵本を語る


昨日12月17日(水)より始まった、
日仏絵本文化交流原画展「絆 LIENS」。
(詳細は講談社さんのサイトをごらんください)

明日19日(金)には、NHKの「こんにちはいっと6県」
コーナー「東京いま人」に柳田邦男さんが出演されます。
放送は午前11時半ごろ、
今回のイベントや絵本についてお話される予定です。

なお原画展は、東京芸術劇場展示ギャラリーにて、
12月25日(木)まで開催、入場無料です。

「今日の本 明日の本」2月号


取次、書店さん向けの新刊案内、
「今日の本 明日の本」が刷り上ってきました。
これから発送作業に入りますので、
来週にはお手元に届くことと思います。
年末のあわただしい時期の発送で恐縮ですが、
よろしくお願いいたします。

なお2月号は毎年恒例、
平凡社社長の2008年回顧ホッピー対談収録、です。

江戸ノベルズ


すっかり恒例になった朝日新聞の広告企画「江戸ノベルズ」。
その4回目が、今朝12月18日(木)の朝刊に載っています。

今回のフロント面は歌舞伎がテーマで、市川染五郎さんが登場。
中面では「切絵図」の紹介など、読み物としても面白くなっています。
記事は「asahi.com」にもアップされていますので、ごらんください。

で、「ノベルズ」ではないものの、平凡社も別冊太陽の広告を掲載。
『春画』『続 春画』『江戸絵画入門』の3本立てで、
ヴィジュアル面から江戸文化を捉えた本をそろえてみました。


なお、この広告は独立した抜き刷りも制作され、
全国の書店にてフェアとしても展開されます。
この機会に、お手にとって見ていただければ幸いです。

おもなフェア開催書店は以下の通りです(50音順)。
期間は各書店によって異なりますのでご了承ください。

■あおい書店(町田店、横浜店)
■旭屋書店(池袋店、志木店)
■勝木書店(KaBoSあざみの店)
■紀伊國屋書店(新宿本店、弘前店、新宿南店、渋谷店、
 吉祥寺東急店、横浜店)
■くまざわ書店(ACADEMIA イーアスつくば店、ACADEMIA港北店)
■三省堂書店(神保町本店)
■ブックファースト(秋葉原店、吉祥寺店)
■文教堂(溝ノ口本店)
■丸善(丸の内本店、日本橋店)
■明文堂書店(金沢ビーンズ、イオンレイクタウン越谷店、能登七尾店)
■八重洲ブックセンター(本店、イトーヨーカドー八千代店)
■有隣堂(ヨドバシ AKIBA店)
■リブロ(池袋本店)

ヒント日「見えない視線」展

大阪のYOD Galleryさんから、ご案内をいただきました。

「ヒント日」という、GRAPHのデザイナー北川一成さんと、
写真家の新津保建秀さんによるアートユニットの展覧会です。
この秋にYOD Galleryにて開かれた展覧会が、
バージョンアップして、東京・目黒通りのホテルCLASKAに巡回。
見逃した方(おれもその一人)は、ぜひ。
乙一さんの書き下ろし小説×ヴィジュアルブック
『GOTH モリノヨル』をモチーフにした作品も展示されるそうです。

■会期 12月23日(火)~2009年2月7日(土)
 12月31日(水)~1月2日(金)はお休み

■会場 Gallery & Shop "DO" (CLASKA 3F)
 152-0001 東京都目黒区中央町1-3-18
 TEL: 03-3719-8124

ところで、週明けにGRAPHさんからDMが届いたのですが、
まったく文字がなく、ケータイのQRコードとヴィジュアルのみ。


で、ケータイ経由で見ると、謎の画像が次々・・・。
これは・・・?
今回の展覧会と関係している?

2008年12月17日水曜日

おれの2008年ベスト(音楽篇)

昨晩、帰宅してから酒を飲んでるうちに、
今年よく聴いた音楽をリストアップしてみようと思い立ち。
で、考えてみると現時点でiPodに入っているのがベストかと。
すっかり、そんな時代になっちゃいました。


以下順不同、とりあえず中途半端に11タイトル。
そのうえ、2008年の新譜とは限りません。
さらに、明日になったら、変わってるかもしれません。

パティ・スミス&ケヴィン・シールズ 『The Coral Sea』
 パティ・スミスのポエトリー・リーディングと、
 マイ・ブラッディ・バレンタイン
 ケヴィン・シールズの音響による、ライブの記録。
 自分の英語力のなさを痛感させられつつも、感動。
 マイブラがフジロックに来たのも信じがたいが、
 昔の作品のリマスター盤はいつになったら届くのか。
 アマゾンで予約したきり、いつまでたってもこない。

ベーシック・チャンネル 『BCD-2』
 1993年~1995年のアナログ音源をCDでコンパイル。
 ベーシック・チャンネル関連は、たぶん永遠にマスト。
 自分が元気なうちは。

マニュエル・ゲッチング 『E2-E4』
 CDがどこかにいってしまったので、紙ジャケで買いなおし。
 これまたベーシック・チャンネル同様、たぶん永遠にマスト。
 寄せては返す旋律の波がたまらん。

Perfume 『GAME』および、それ以降のEP全部
 遅れてきたファンで自分の不明を恥じるほかないが、
 けっきょく、今年一番聴いたのがPerfume。
 武道館、最高でした。
 現在は「Deream Fighter」のサビの、
 メロと歌詞の独特の構成について、素人研究中。

Q-Tip 『The Renaissance』
 これがヒップホップ/ラップだろ、という感じ。
 と思うのは、自分の歳のせいかもしれないが、
 この声とトラックは唯一無二。
 ノラ・ジョーンズも参加していて、ちょっとびっくり。
 でもやっぱり、ア・トライブ・コールド・クエスト時代の
 
ラスト『The Love Moment』が一番かも。

渚ようこ 『魅力のすべて BEST 1996-2008』
 新宿コマ劇場のリサイタルは忘れがたい。
 最近お店にご無沙汰なので、行かねば。

クレイジーケンバンド 『ZERO』
 年に1枚、毎年ベスト。

ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ
 『Dig, Lazarus, Dig!!!』

 久しぶりに聴いたニック・ケイヴ、やっぱりスゴい。
 昔、渋公(クアトロだったかも)で見た、
 ライブのとてつもない迫力と汗を思い出し、
 久しぶりに、おれの血の中のロック成分がたぎった。

ブラッド・メルドー・トリオ 『LIVE』
 オアシスはいまひとつ好きでないが、
 ブラッド・メルドーがジャズでカバーしたオアシスはいい。

ピエール=ロラン・エマール 『メシアンへのオマージュ』
 バッハの『フーガの技法』も秀作だと思うけど、
 やっぱりメシアン(あとリゲティ)を弾いたほうが、
 いまのところいい・・・などとエラそうに思ったり。
 オペラシティのリサイタルもよかった。

高橋悠治 『モンポウ:沈黙の音楽』
 静謐で、魔法のようなピアノ。
 気がつくと終わっていて、余韻だけが残る。

・・・う~ん、支離滅裂なリストになってしまいました。
つまり、おれの頭の中が支離滅裂ということでしょう。

『茗荷谷の猫』が10位に


トーハンさんの『新刊ニュース』が届きました。
2009年1月号からリニューアルで、判型も大きくなり、
「哲ちゃん」こと松田哲夫さんの連載もスタート。

で、1回目は「2008年 日本の小説ベスト10」。

1位  天童荒太『悼む人』(文藝春秋)
2位  川上弘美『風花』(集英社)
3位  百田尚樹『ボックス!』(太田出版)
4位  阿川佐和子『婚約のあとで』(新潮社)
5位  恩田陸『いのちのパレード』(実業之日本社)
6位  小川糸『食堂かたつむり』(ポプラ社)
7位  山本文緒『アカペラ』(新潮社)
8位  和田竜『のぼうの城』(小学館)
9位  朝倉かずみ『田村はまだか』(光文社)
10位 木内昇『茗荷谷の猫』(平凡社)


哲ちゃんのコメントは・・・。

 幕末から昭和まで、
 東京のいろんな町で起こる怪異や不思議が描かれていく。
 それらはおどろおどろしいものではなく、
 淡くてはかないものばかりだ。
 そして、お話そのものが幽霊みたいに、
 掴まえようとするとフワッと逃げてしまう。
 読めば読むほど味わい深い連作小説集。

松田さん、どうもありがとうございます!

平凡社版 2008 私の3冊(2)


平凡社内のアンケート「私が選ぶ2008年の3冊」、その2回目。
前回同様バラバラですが、よくいえばバラエティに富んでる?
(物は言いよう by 斎藤美奈子さん)

今回も5名分を順不同で掲載します。
では、どうぞ。

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★編集部K

吉田秋生
 『海街diary1 蝉時雨のやむ時』
 
海街diary2 真昼の月』(小学館)
 いまさらですが、2巻目が10月に出たので。
 すずちゃんが山の上で号泣するシーンでは、
 私も満員電車の中で、涙と鼻水が止らず、難儀しました。
 (もし知らない人がいたら、ぜひ読んでください。)

和智正夫 『Show Time』(イースト・プレス)
 『ゴング格闘技』誌上で連載されていた、
 ヒクソン、ヒョードル、桜庭、魔裟斗ら、
 数十人の格闘家たちのポートレイト写真集。
 闘っているところではなくて、街角や銭湯や公園や、
 要するに、その辺で撮っている写真。
 コインパーキングで、ぽつねんとしている桜庭はいいです。

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★営業部N

お疲れさまです。
理由書くのめんどくさいんですけどダメ?

高山宏 『近代文化史入門 超英文学講義』(講談社学術文庫)

石堂淑朗 『偏屈老人の銀幕茫々』(筑摩書房)

岡茂雄 『本屋風情』(中公文庫)

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★社長S

佐野眞一 『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史』
 (集英社インターナショナル)
 著者の膂力にひたすら脱帽。

中原昌也 『中原昌也 作業日誌 2004→2007』(boid)
 21世紀の文士! か、これは。泣かせる。

宇野常寛 『ゼロ年代の想像力』(早川書房)
 書き手と読者の世代交代をヒシヒシ感じた本。

その他、山田正紀『神獣聖戦』(徳間書店)、
町田康『宿屋めぐり』(講談社)が秀逸のようだが、
現在、まだ読書中。ともに大作。

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★営業部A

今年はゴツい本を買っては途中で中断・・・の連続。
なので文字の本はパスして、順不同で写真集を3冊。
日本の女性写真家の作品ばかりになったのは偶然です。
いずれもディープ&ダークで、神経を刺激され、
ゴツいを読むより、結果的にぐったりしたかも。
もちろんホメ言葉として、なのは申し上げるまでもありません。

志賀理江子 『Lily』(アートビートパブリッシャーズ)
 暗がりに人が写っていて、
 ボケていたり光が被っていたりするのだが、
 どういう写真かと訊かれると、うまく説明できない。
 記憶のどこか、それも思い出したくない部分をつつくような。

殿村任香 『母恋 ハハ・ラブ』(赤々舎)
 母親の不倫(というかセックス)を撮影したモノクロ写真。
 後半は神戸、長田の実家で撮影したカラー写真。
 ヘビーだが、どうしても見てしまうのは、業の深さか。

野村佐紀子 『夜間飛行』(リトル・モア)
 モノクロの男性ヌードをおもなモチーフにしてきたが、
 今回はカラー(超小型カメラで撮影されたらしい)。
 室内の男性ヌードと、夜の空港や風景が交錯する構成。
 暗い画面から、ぼんやりと、静かに、輪郭が浮かび上がる。
 彼女独特の濡れた感触は、むしろカラーのほうが強いかも。

【番外】

井上嗣也
 『INOUE TSUGUYA GRAPHIC WORKS 1981-2007』

 (リトル・モア)
 関西の山村に住むガキのころから大好きだった
 グラフィックデザイナーの、待望の(というしかない)作品集。
 昔の作品を見ても、懐かしいというより新鮮なのに、いまさら驚く。
 スコンと抜けていて、とにかく文句なくかっこいい。

水村美苗 『日本語が亡びるとき』(筑摩書房)
 最初の数章分が『新潮』に掲載されたとき、
 ついうっかり小説だと思って読んでしまった記憶が抜けず。
 ネット論壇(?)では刊行直後からあれこれ議論されているけれど、
 そんなにすぐ結論・断言できるわけ、みなさん? という気も。
 おれは正直、どう読んでいいかわからないまま、まだ読んでます。
 蓮實重彦氏のテキストが待たれるところ。

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★営業部F

1)松岡正剛 『白川静 漢字の世界観』(平凡社新書)
 白川静の偉大さと学問とはどういうことかがわかり感動的な一冊。

2)原武史 『昭和天皇』(岩波新書)
 宮中祭祀を昭和天皇が本気になってやっていたことに驚いた。
 王権の伝統は(?)どこの社会にでも
 必然的に存在するものなのだろうか。

3)安倍夜郎 『深夜食堂』(1~2、小学館) 
 ペーソスも絵で見ることによって泣ける深さが倍加する。グッド!

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「自社本はナシ」って言ったのにF代さん(苦笑)。
アンケートはまだまだ(かな・・・)続きますので、お楽しみに。

モリヤマダイドーよ・・・


この年末から年明けにかけて、
森山大道さんの展覧会が3本、立て続けに開かれます。

まず、12月3日(月)から28日(日)まで、「'S DAIDO MORIYAMA」。
無人の競技場を撮影した写真集『'S』(講談社)からの作品。
銀座のRING CUBEにて。

次に、12月19日(金)から2月8日(土)まで、
「Daido Moriyama HOKKAIDO」。
こちらは1978年、森山さんの「北海道時代」の作品。
これまでネガのままで眠っていた、幻の写真が展示されます。
表参道のラットホールギャラリーにて。

さらに、1月7日(水)から2月1日(日)まで、「物質的誘惑」。
初めてのデジカメによる写真展で、
ウェブサイトを見た限りでは、カラー作品の模様。
銀座のRING CUBEにて。

今年の10月10日に70歳を迎えた森山さん。

 モリヤマダイドーよ、レンズでナニをモヤシテイル?

という、寺山修司の言葉を不意に思い出しました。

平凡社新書12月の新刊


平凡社新書12月の新刊は次の3点です。

山本一生『書斎の競馬学』
山本一生(いっしょう)さんは、石油精製会社に勤めるかわたら、
競馬の歴史の研究を続けてこられた方。
『恋と伯爵と大正デモクラシー』で、
第56回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞されています。

本書は、いまや伝説の雑誌『書斎の競馬』に連載された
「競馬学シリーズ」を元に加筆集成されたもの。
ディック・フランシスやブコウスキーなど、
様々な競馬本を読み込み、
古今東西の「ミステリー」の道具立てを説いた1冊です。

高橋源一郎さん曰く、

 日本競馬には山本一生が必要である

なお現在、山本さんは「競馬の文化村・もきち倶楽部」という、
ウェブサイトとメルマガを手がけていらっしゃいます。

畑仲哲雄『新聞再生 コミュニティからの挑戦』
ここ数年、新聞の低迷(凋落?)が叫ばれ、
今年になってその声はますます強くなってきています。
・・・が、畑仲さんは、そこに疑問を投げかけます。
「新聞の危機」は「新聞業界の危機」に過ぎないのでは? と。

本書で紹介されるのは、地方紙の新たな取り組みと、
その試行錯誤のプロセス。
「鹿児島新報社」のOBたち、神奈川新聞社カナロコ編集部
「みんなの滋賀新聞」を中心に、地域からの挑戦を、
綿密にレポートし、ジャーナリズムの未来を見据えた内容です。

畑仲さんは共同通信社に勤務の傍ら、
東京大学大学院情報学環の博士課程に在籍中。
ブログ「論駄な日々」もあります。

飯沢耕太郎『きのこ文学大全』
飯沢さんといえば、いわずと知れた写真評論の第一人者。
ですが、一方で稀代のきのこマニアでもあります。
これまでにも『世界のキノコ切手』などを出版されています。

本書はいわば「書斎のきのこ狩り」(あとがきより)というべき、
20余年にわたって、文学から漫画・音楽・映画等々、
古今東西のあらゆる「きのこ本」を捜し続けた収穫。
著者名の50音順に、これでもかこれでもかと、
「きのこ本」が紹介される、初の「人文系菌類学入門」です。

2008年12月16日火曜日

地理知識のまずしさ


今日、12月16日(火)の毎日新聞夕刊を読んでいたら、
荒川洋治さんの「地理知識のまずしさ」という文章に目が止まりました。

 地理の知識は年々落ちる。

という調査結果をマクラに、

 昔の人は(・・・)「篠山」も丹波をつければ見当がつく。

というところで、おれの実家方面を思い出して読むうち、

 地理が見えないと対話は進まない。深まらない。
 「どちらのお生まれですか」
 「・・・県です」。
 ・・・県に知識がないとそこでとぎれる。
 対話を求めない気持ち。
 それがおおきな顔をして歴史をつくりはじめた。
 人と人が心を通わせるための、基礎とのつながりを、
 もっと真剣に考えたい。
 地理知識のまずしさは、
 基礎をおろそかにする社会のあらわれだろう。

で、なぜ荒川さんの文章を書き写しているかというと、

 十一月の新刊『プレミアムアトラス世界地図帳』
 『同・日本地図帳』(平凡社)は基本を重視。
 アジア諸国の前にアジア全体の地図、
 アフリカ諸国の前にアフリカ全体の、
 というように基礎を提示。
 日本編にも、基礎と結びつく工夫がある。

と続いていたからなのですが、
そこから続く文章も、荒川さんらしい、
さりげないけれども大切なことが、淡々と綴られていきます。
なんか、とてもうれしくなる文章でした。

平凡社版 2008 私の3冊(1)


以前ブログでも書きましたが、しばらく前から、
「2008 私の3冊」という社内アンケートを募ってみました。
アンケートにあたっては一応、以下のしばりをかけました。

1)今年刊行された本で、よかった、やられた、
 すごかった、すばらしい、まいった、という本を3冊リストアップ。

2)平凡社の本は除外。

3)もちろん、ジャンルは不問。

今日はまず、5名の回答を掲載します(順不同)。

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★編集部F

1)今日マチ子 『センネン画報』(太田出版)
 今年はこれだな。

2)「不確実性」の経済学入門(『週刊東洋経済』9月6日号)
  正規分布ではなくて、ベキ分布なんです。

3)マキノノゾミ 『東京原子核クラブ』(早川文庫)
3)村井幸三 『お坊さんが困る仏教の話』(新潮新書)
3)さそうあきら 『マエストロ』1~3、双葉社)
 仕事がらみが多いかね。

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★営業部N

私は全点、鉄で攻めてみます。

1)『日本鉄道旅行地図帳』(全12巻、新潮社ムック)
 日本初! 正縮尺の鉄道地図。
 廃止路線や市電なども載っています。
 別巻に旧領土・旧植民地があるのも憎い。

2)宇田賢吉 『電車の運転』(中公新書)
 ベタなタイトルですが、
 プロの運転士が書いた実際の運転と
 運転をとりまく鉄道のシステムがリアルに書かれています。
 意外な盲点といった趣き。

3)『鉄道手帳 2009年版』(創元社)
 なんと創元社から出た丸ごと一冊鉄道の手帳。
 資料が豊富で旅行のときに便利。
 地図の文字が小さいのが難点。

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★営業部M

木田元 『反哲学入門』(新潮社)

稲葉振一郎 『増補 経済学という教養』(ちくま文庫)

佐野眞一 『甘粕正彦 乱心の曠野』(新潮社)

本山美彦 『金融権力』(岩波新書)

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★編集部S

1)都築響一 『夜露死苦現代詩』(新潮社)
 まったく衰えを知らない都築さんの好奇心に拍手。
 オビキャッチが「人生八王子!」って!

2)『マスキングテープの本』(主婦の友社)
 この世に本にならないネタはない!と
 勇気をもらった一冊です。

3)カラスヤサトシ 『カラスヤサトシ』(1~3、講談社)
 カラスヤサトシさんという人物を知ったことは
 今年最大の収穫です。

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★営業部N

今年読んだ本、ということで。

福岡伸一 『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)
 意表をつく新書! 理科系の読み物もときどき読むと楽しい。

竹内洋 『教養主義の没落』(中公新書)
 1970年が分かれ目だったんだということか。
 なるほど。
 あの時私は10歳。
 大阪万博、三島由紀夫事件があった年。
 懐かしいというには昔すぎる。

内澤旬子 『世界屠畜紀行』(解放出版社)
 そこまでして屠畜の現場に行くかなあ。
 著者の強靭な精神に感服。
 でも少し畏怖も。
 それとスゴい細密線画。
 ほんと信じがたい。

あと2点いいですか。

野呂邦暢 『草のつるぎ、一滴の夏』(講談社文芸文庫)
 こういうのがブンガクなんだろうなと久々新鮮な気持ちになる。
 沸き立つ情景、濃縮した物語、人物の精神の緊張感・・・。
 この本を薦めてくれた某出版社の人に感謝。

角田光代 『八日目の蝉』(中央公論新社)
 登場人物たちの堕ちていくスピード感がたまらない。
 人ごとでない感じ。
 重松清『疾走』、吉田修一『悪人』、
 桐野夏生『メタボラ』にも同じ感想をもちました。

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★編集部S

順不同。

清水真砂子 『青春の終わった日 ひとつの自伝』(洋泉社)
 胸にしみる真っ当な批評精神の先人がいることを幸せに思う。

南木佳士 『草すべり その他の短編』 (文藝春秋)
 同世代にこんなすごい日本の小説家がいることを誇りに思う。

リング・ラードナー・ジュニア
 『われとともに老いよ、楽しみはこの先にあり』(清流出版)
 こんな愛すべき旧きアメリカ野郎に出会うと、
 アメリカも捨てたものではないと思う。

次点。

豊島ミホ 『初恋素描帳』(メディアファクトリー)
 もっともっと素敵なものを書くだろうから。

片山廣子 『新編 燈火節』(月曜社)
 昨年の12月刊でした。

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見事なまでにバラバラかつ、しばりを無視した結果でございます。
そのへんが平凡社らしい・・・? といえるかも(いえない?)。
みなさま、いかがでございましょうか。

続きは、また明日。

ダサかわパッケージ


おれが昼飯(エースコック鶏南蛮そば)を食べていたら、
編集S藤が新聞の切抜きを手にやってきました。

 おれ えらいきたない切り抜きやな。
 S藤  手仕事感のある切り抜きって言ってくださいよ。
     土曜日の日経新聞に出てたんです。

読んでみると、「さぶかるウオッチング」というコラムで、
「ダサかわパッケージ 手仕事の感触に味わい」。

 スーパーの棚に何気なく並んだ品物に「かわいい」を見つける。
 そんなコレクターの楽しみを紹介した本が相次ぎ出版されている。

という書き出しで、『スーパーマーケットでかわいい買い物』が、
類書2冊とともに紹介されていました。
すみません、どちらも不勉強にして存じませんでした。
以下は各出版社さんのサイトの紹介からの抜粋です。

 『地サイダー読本』(春日出版)
 昔ながらの味を知る人にとっては懐かしく、
 また新たに知る人にとっては新鮮に感じられる・・・
 まさにレトロでモダンで新しい地サイダー。
 本書は、風味の比較論評、ラベルや王冠のデザインなど、
 地サイダーの魅力を余すことなく紹介しています。

地サイダーについては他の追随を許さない内容のようです。

 『ふりかけの本』(コスミック出版)
 ふりかけに感謝を込めて、ルーツにはじまり、
 大正・昭和・平成と時代と共に歩んできた
 懐かしのふりかけたちをフューチャー、
 さらに「のりたま」「おとなのふりかけ」「ゆかり」など
 最新のふりかけ事情をクローズアップ。

ふりかけシーンの最先端までフォローされているようです。

ところで先の日経のコラムでは、

 大量生産の商品に見え隠れする手仕事の感触を
 「かわいい」とする意識は東欧雑貨ファンにも通じている。

とのこと、そう指摘されればそうですね、たしかに。

「大波小波」で『白川静』紹介


東京新聞夕刊の名物匿名コラム「大波小波」。
昨日12月15日(月)は、「白川静・入門」というタイトルでした。
以下はその一部からの抜粋。

 (・・・)書名を見ただけで出版界のレベルが下がっている。
 ガタガタになってふんばれないカッコウである。

 そうしたなかで松岡正剛『白川静 漢字の世界観』(平凡社新書)は
 時流にそまっていない真剣なものだ。(・・・)

 (・・・)白川文字学を東洋文明論に接合しようと相当に苦心している。

さらに上記の文章に続けて、

 おもしろい箇所は多くはないが、この本はおすすめである。

というフレーズには笑わせていただきました、さすが「大波小波」。
どうもありがとうございます。

往来堂書店ランキング


下のエントリーと同じく『週刊現代』の最新号の別のページに、
往来堂書店さんのランキング(12月1日~12月7日)が掲載されてました。

1位は『東大合格生のノートはかならず美しい』で、
社内の東大出身者に聞くと「おれのノートも美しかった」そうですが、
それはそれとして、5位に原丈人さん『21世紀の国富論』が!

2007年6月刊行の本ですので、もう1年半経過していますが、
むしろ今年の後半になって、深く浸透しはじめてきた感あり。

なお本書を読んでも手っ取り早くカネ儲けはできませんので、あしからず。
それよりもっと重要な、長期的に見れば必要なことが書かれています。

【書評】白川静 漢字の世界観


『週刊現代』の最新号(年末特大号)の「新書DEカルチャー」欄で、
松岡正剛さん『白川静 漢字の世界観』が紹介されました。
書き手はフリーライターの嶺崇史さんで、以下はその一部からの引用です。

 白川静が文字(漢字)学に没頭した理由や生い立ち、
 「呪能」についての説明、
 孔子や「万葉集」「詩経」とのかかわり、
 新たな漢字解釈の発見などが、
 敬意を払いつつ体系的に簡潔な文章で説明されている。

『太陽』という雑誌


『日本古書通信』の12月号の連載、
「高村規の語る戦後の写真(3)」で、
筑摩書房の雑誌『太陽』が紹介されていました。

読むと、あちこちで同じ誌名の雑誌が、
創刊されては休刊してきたことがわかって面白い、
というか・・・いろんな『太陽』があったのね、としみじみします。

『太陽』といえば、まず古くは明治時代、
博文館の雑誌として歴史的に知られていますが、
『平凡社六十年史』を読むと、
ほかにも第二次世界大戦中に朝日新聞社から、
戦後は大阪の太陽社というところからも出ていたそうです。

また、高村さんの回顧によれば、
講談社、次いで河出書房に商標権が移り
(時期は詳述されていないのでわかりませんが)、
筑摩書房が河出書房から権利を譲渡され、
筑摩版『太陽』が1957年に月刊誌として創刊されたとのこと。

前年には出版社系週刊誌の嚆矢『週刊新潮』が創刊。
筑摩版『太陽』はヴィジュアル重視だったそうですがが、
残念ながら5号まで刊行して翌年に休刊。

その次に、本格的なグラフィック誌の準備をしていた平凡社が、
筑摩から商標権を譲り受け、
1963年6月に平凡社の『太陽』が創刊されました。

・・・が、2000年の12月号をもって休刊。
なんていってるうちに、もうすぐ2009年。

2008年12月15日月曜日

毎日新聞2008年「今年の3冊」

今日12月15日は新聞休刊日だったもので、
会社に新聞が届くのが遅くなりました。

で、夜になって日曜の読書面を見てるわけですが、
毎日新聞の読書欄は「2008年 今年の3冊」という、
書評委員の方々のアンケート企画でした。

あの人が、この本を、というのがこの手の企画の面白さですが、
いちいち書くと長くなりますので、とりあえず、
平凡社の本をあげていただいた方をご紹介しておきます。

■川本三郎さん


 太田治子『石の花 林芙美子の真実』(筑摩書房)
 片山杜秀『音盤博物誌』(アルテスパブリッシング)
 木内昇『茗荷谷の猫』(平凡社)

『茗荷谷の猫』についてのコメントは、

 木内昇さんの連作小説は江戸末から現代まで
 さまざまな時代の東京の小さな町々と人々を描いてみごと。

■山内昌之さん


 服部龍二『広田弘毅』(中公新書
 ポール・コリアー『最底辺の10億人』(日経BP社)
 アル・ハリーリー『マカーマート 1』(平凡社東洋文庫)

『マカーマート』については、

 一読、西洋の悪漢小説にも比すべき痛快な語り口に魅せられる。
 文法の精緻な説明や、かなり凝った詩の訳などに
 堀内氏長年の苦労がうかがえる。

川本さん、山内さん、どうもありがとうございました。

さて。

「平凡社が(自社本以外で)選ぶ2008年の3冊」は、
明日12月16日より、順次アップの予定です。
こちらもお楽しみに。
いま書目を見たところでは、見事にバラバラ(笑)。
あと社内連絡ですが、まだの方、よろしく。

では。

【明日】サスキア・サッセン来日


グローバル・シティ第2版の邦訳が筑摩書房から刊行された、
サスキア・サッセンさんが来日します。
(情報のアップが遅くなって、明日開催なんですが)

明日12月16日(火)の14時~17時、
一橋大学佐野書院にてワークショップが開催されるとのこと。
詳細は筑摩書房さんのサイトをごらんください。

平凡社からは『グローバリゼーションの時代』が発売中です。

【書評】白川静 漢字の世界観


12月14日(日)の中日新聞・東京新聞に、
松岡正剛さん『白川静 漢字の世界観』の書評が掲載されました。
評者は、歌人の水原紫苑さんです。

全文は「Chunichi Book Web」で読むことができますが、
以下はその冒頭より抜粋。

 巨人、白川静。その世界の偉大さは感じていても、
 仰ぎ見るばかりで登り口が見いだせないというのが、
 多くの人が抱いていた印象ではないだろうか。

 松岡正剛氏による本書は、白川静への入門書であるとともに、
 白川学がなぜ生まれたか、
 その源を著者自身の豊かな学識と情熱によって解き明かしてゆく。

 いわば、松岡正剛の世界観によって明らかにされた、
 白川学の未生から誕生への過程がスリリングである。
 知られざるエピソードも豊富に紹介される。

【書評】破戒と男色の仏教史


松尾剛次さんの『破戒と男色の仏教史』の書評が、
今秋発売の『週刊朝日』12月26日号に掲載されました。
評者は海野弘さんで、以下はその一部より。

 中世の仏教などというと、
 私たちにあまり縁がないように思えるが、
 戒律を破ってしまう僧たちの姿によって、
 仏教史が、人間的で、なまなましい面を見せ、
 さまざまな問題を考えさせられる好著となっている。
 (・・・)
 日本は明治以後、西欧近代化への道を選び、
 僧の妻帯を認めてしまった。
 しかし、そのことが、
 日本の仏教をアジアの中で異質なものにしてしまった、
 という指摘ははっとさせられる。

そういえば、先週(『すき焼き通』)、
先々週(『白川静』『スーパーマーケットでかわいい買い物』)と、
3週連続で『週刊朝日』さんに取り上げていただき、感謝。

年末ギリギリになって、平凡社新書の時代が来たか・・・な?

Nobunori Torii写真展


「世界で一番ヘンな本屋」ユトレヒトさんから、ご案内をいただきました。

 ちょっと寒くても、開放的なテラスが自慢の
 NOW IDeA by UTRECHT
 今週12/16(火)から12/21(日)は
 Nobunori Torii 写真集「yearn」の出版記念展を開催。

  Nobunori ToriiはTシャツやジーンズ、リュックなど、
 日常のファッションアイテムを ほぼすべて自らの手で作ります。

 そこから派生し、日常の光景を撮りためた写真は
 洋服と同様に、等身大の彼自身を投影した作品。
 見えない未来だからこそ
 焦がれ、何かをつかもうとする気持ちが見え隠れするようです。

 写真の展示のほか、
 自身のデザインする洋服「0」も展示販売いたします。

明日12月16日(火)の19:00~21:00に、
レセプションパーティーが開かれるそうです。
(おいしいパウンドケーキなど、ご用意しています、とのこと)

また、12月19日(金)から来年1月11日(日)までは、
HIMAA「SWEET MEMORIES」というドローイング展も開催。

とにかく紹介が追いつかないほど活発な活動ぶり。

東京TDC賞2009決定


東京TDC賞2009の受賞作が決まりました。

■グランプリ
中村勇吾+tha「NOW UPDATING…
THA/中村勇吾のインタラクティブデザイン」展
(これは文句なし、ですね)

■TDC賞
浅葉克己「浅葉日記」(21_21で見ましたが面白かった!)
植原亮輔「THEATRE PRODUCTS」
LES SUEN(上海)「M LAB. ISSUE NO.1: MOLECULE」
立花文穂「球体1」「球体2」「球体3」(唯一無二です)
中村至男「TDC BCCKS」

■ブックデザイン賞
井上嗣也「INOUE TSUGUYA GRAPHIC WORKS 1981-2007」
(これも、ついに出た! という感じで文句なしですね)

■タイプデザイン賞
Emanuela Conidi(イタリア)「Nabil type family」

■特別賞:海外審査員選考
仲條正義「小森 2008カレンダー」(ほしかった・・・)

なお、受賞作品と1次審査で評価の高かった作品120作品が、
2009年4月からギン ザ・グラフィック・ギャラリーほかで、
展示されるそうです。

2009年のキーパーソン30人

今日発売の『ブルータス』は、本の特集。
そのなかの綴じ込み特別付録に、
「2009年のキーパーソン30人を知る本ガイド」
というページがありました。


選ばれた30人は、

 池谷裕二、宇野常寛、小野正嗣、木村秋則、今日マチ子、
 ポール・クルーグマン、佐藤健寿、志賀理江子、島袋道浩、
 杉山茂樹、セヴァン・カリス=スズキ、C. レヴィ=ストロース、
 アニリール・セルカン、千松信也、都甲幸治、
 ノーム・チョムスキー、速水健朗、ダニエル・バレンボイム、
 ハロルド・ピンター、福岡伸一、トーマス・フリードマン、
 イアン・ボーデン、前田司郎、益若つばさ、町山智浩、
 コーマック・マッカーシー、山田香織、LiLy、ビョルン・ロンボルグ

の各氏で、その中に『21世紀の国富論』原丈人さんも入っていました。


 未来を思想する経済人。

という見出しで、

 ●著書でアメリカ経済の行き詰まりを予言。
 ●途上国発展を含めた「改良資本主義」を提唱。
 ●「パソコン後」の世界ビジョンを提示。

と紹介されています。
さらにプロフィールの箇所には、こんな一文も。

 「アメリカン・ドリームに代わる新しい価値観」を説き、
 新たな資本主義、新たな民主主義を提唱する著者を、
 経済思想家と呼んでも過言ではない。

2008年の漢字

日本漢字能力検定協会(いわゆる漢字検定の元締め)が、
12月13日に発表した恒例の「今年の漢字」は、

 

だったそうですが、白川静さんの『常用字解』によると、



と説明されています。
(テキストにしたいところですが外字があるので断念)



上の写真は『常用字解』のもとになった『字通』の、「変」の説明箇所。
さらにくわしい解説と用例が収録されています。
このところ品切れでご迷惑をおかけしてきましたが、
今日、12月15日(月)に、重版ができました。
みなさま、よろしくお願いいたします。

2008年12月12日金曜日

仲條服部八丁目心中

昨晩帰宅したら、家の前の電柱に謎の張り紙が。


今朝出掛けに郵便受けを見ると、またしても。


出社のため駅に向かう途中にも、つぎつぎに・・・。





いくらなんでも気になるので、じっくり見ると、


 予告
 仲條服部八丁目心中

さらに仔細に見ると、小さな文字で

 お前なんか

そのうえ、微妙に文字が傾いてるような気がして落ち着かない。
なんだこれは・・・?

と、いうわけで、仲條正義さんと服部一成さんの二人展が、
来年の年明けに開催されます(上の写真はフィクションです)。

会期・・・2009年1月13日(火)~ 2月6日(金)
会場・・・クリエイションギャラリーG8

詳細はクリエイションギャラリーG8のサイトをごらんください。


右は『仲條正義の仕事と周辺』(六耀社)、
左は『IDEA NO. 317 服部一成 100ページ』(誠文堂新光社)です。

丸善ベスト本投票受付中


昨日の松岡正剛さんの講演会にうかがったさい、
丸善丸の内本店さんで本を買ったら、栞をいただきました。
見ると「丸善インフォメーション」の情報がのっていました。

アクセスしてみると、福岡伸一さんのインタビューのほか、
さまざまなコンテンツが掲載されていますが、
現在『2008 あなたのベスト本』投票受付中!とのことです。
締め切りは12月28日(日)、まだ間に合います。
「今年は何読んだっけな・・・?」と思い出すいい機会ですし、
ぜひご投票ください。

あっ・・・写真は、この本に投票してください、
という意味ではありませんので、ほんとに(苦笑)。
たまたま机の上にあったので、組み合わせて撮影しました。

なお平凡社社員が選ぶ「今年の3冊」は、来週から掲載予定です。

松岡正剛さん講演会

昨日12月11日(木)の19時より、丸善丸の内本店さんにて、
松岡正剛さん『白川静 漢字の世界観』
刊行記念講演会&サイン会が開かれました。
写真をメインに、その様子をレポートします。
(長い記事になりますが、ご容赦ください)


まず開演前に新書の棚を見ると、4位にランクイン!


辞書の棚でも白川さんの字書と一緒に並べていただいています。


会場の日経セミナールームは、丸の内本店の3階にあります。


開演を前に、お客さまの席もだんだん埋まってきました。
あとでうかがったところ、定員100名にもかかわらず、
130名もの方がお越しくださったそうです。


席にある松岡さん関係のチラシを読みながら開演を待ちます。


さて松岡さんご登場、講演会のスタートです。
白川さんについてはもとより、時事的な話題も織り交ぜながら展開。
柔らかく、ユーモアを交えた口調で、しかし超ディープなお話。


白川さんの有名な「サイの発見」について解説される松岡さん。


漢字の「口」は「くち」ではなく、
神に祝詞をあげる際のお供えの器の象徴である、
と白川さんは解き明かされました。


途中から、松岡さんが出演されたNHKの番組、
「白川静 漢字に遊んだ巨人」の映像を交えながら講演は進み、
ますますぐっと引き込まれていきます。


テレビで放映された、「闇」という文字。
ここにも深い意味が隠されていることを、松岡さんが語られます。


講演時間も終わる頃、白川さんの力強い言葉が会場に流れ、
まるで会場の皆さんと白川さんが直接対話しているような感覚に。
松岡さんも、じっと見入っていらっしゃいました。


松岡さんが最後に示された重要なキーワード、「興」と「狂」。


1時間半におよんだ講演は無事終了、丸善さんが本を会場販売。
『白川静』のほかにも、字書、単行本、松岡さんの著書など。


引き続いてサイン会。
ほとんどのお客さまが会場に残られ、サインの列が続きます。


松岡さんのサイン。


サインは申し込み順のため、お客さまには長時間お待ちいただき、恐縮。


ふと外を見ると、真っ暗な中に高層ビルが浮かんでいます。
まだ残業中でしょうか。


自作の漢字色紙を持参された若いお客さまもいらっしゃいました。


こちらは、今回の講演で数十年ぶりの再会を果たされたお客さま。
松岡さんもびっくりされていました。


講演会は1時間半、サイン会は1時間の長丁場となりました。
外に出ると、イルミネーションが年末の雰囲気を演出。


という次第で、講演会&サイン会は大盛況のうちに終わりました。
こんなに充実した会は久しぶりだったような気がします。
松岡正剛さん、丸善丸の内本店の皆さま、松岡事務所の皆さま、
そして年末のあわただしい時期にお越しくださったお客さま、
みなさま、どうもありがとうございました。

機会があればまた、講演会で話されたポイントを、
少しでもご紹介できればと思っています。

2008年12月11日木曜日

青山ブックセンター六本木店


写真は営業Mがお世話になっております、
青山ブックセンター六本木店さんで開催中の、
コロナ・ブックスのフェアの様子です。
上のパネルに、

 コロナの頃だな

と書いてあるように見えます。
年内一杯やってくださるとのこと、ぜひ足をお運びください。
ABC六本木店さんは、月~土は朝5時まで営業です。

佐藤可士和さんのオフィス


今週の『週刊文春』の「私のリビング」に、
アートディレクター、佐藤可士和さんが登場。

 僕にとって、部屋はいかに機能的に作業できるかが重要。
 この部屋は仕事の道具といっていいかもしれない。
 ここでリラックスすることはありません。
 少し緊張感があったほうが、頭もクリアになるし、
 仕事の精度も上がりますからね。

とのことで、自分の机周りを省みて反省。
来年こそは何とかしよう、もっちー。

日本民藝館



日本民藝館へ行ってきました。
ちょうど「新作工芸公募展」が開催中で、器やら布やら、
若い人がやってるショップにおいてもいい感じの作品が多数。
あと、カゴが好きな女性が見ても面白いかも。
12月20日(土)までやってます。

ちなみに下の写真は、
別冊太陽『柳宗悦の世界』『Yanagi Design』


柳宗理さんは柳宗悦さんの長男であります。
ちなみに次男が西洋美術史家の柳宗玄さん、
三男が「雑草博士」の柳宗民さん。

この石碑は、柳宗理さんがデザインされた、
日本民藝館創立50周年の記念碑「不二」。
民藝館の本館の向かいに設置されています。

さわや書店さんと出張対談(2)


『今日の本 明日の本』1月号のホッピー対談、
さわや書店さんとのお話の続きです。
昨日は、生ビールが到着したところまででしたが・・・。

一同:じゃ、よろしくお願いしま~す。

田口:で、伊藤さんと飲むと、
今日読んだ新刊の話をするわけですよ。
いくら飲んでも、朝起きたら本を読む、という癖がついてるから。

長島:毎日ちょっとでもいいから読め、と。

田口:ちょっとじゃ間に合わない。1日1冊。

長島:それはノルマなんですか?

田口:ノルマじゃないんですけど、
伊藤さんに対抗するにはそれしか手段がなかったんですよ。

松本:さわや書店のノルマじゃなくて、
伊藤さんと田口のノルマというか(笑)。

田口:強烈でしたよ。

長島:すごいですね~。ジャンルは?

田口:僕は小説が多いですね。

長島:松本さんは?

松本:僕はどちらかというとノンフィクション系ですね。

田口:で、伊藤さんの場合は何でも読むわけですよ。
われわれはそこまでいかないので、
全員でバランスを取らないと、あの人には勝てないです。
最終目標は伊藤清彦ですよね。
でなきゃ、さわやにいる意味ないですよ。

長島:でも伊藤さん、おやめになっちゃって残念ですね。

田口:最初はかなりへこみましたね。

長島:たしかにそうでしょうね。まっ、どんどん頼みますか。

田口:若いうちは版元さんに養ってもらえって、
伊藤さんがよく言ってたんですよ。
ですから、こうやって来てくれる版元さんが、すごくありがたくて。
そのぶん売らなきゃだめだよ、ってきつく言われたわけですけど。
僕は実家が書店で、去年の6月に閉めたんです。
で、閉めましたって伊藤さんに言ったら、じゃあ来いと。
でも一度も褒められたことはなかったですね。

松本:ないですね。
ただ、自分がなんだか落ち込んでるな・・・ってときに、
「あれ、よかったよ」とか、ちょっと言葉を掛けてくれる。

田口:毎日フェザン店に寄って、「これ、ないの?」とかね。
10分程度の会話なんですけど、
でもその10分にどれだけ助けられてたかって思いますね。

長島:小西さんは伊藤さんとは?

小西(中公):結局ご挨拶しただけで、
ちゃんとお話はできなかったですね。

田口:僕はずっと中公の本が好きで、
それが書店に行こうと思ったきっかけなんですよ。

長島:平凡社よりも~。

田口:いやいや、今日を境に平凡社ですよ(笑)。

長島:ほんとですか(笑)。

一同:あははははは。

松本:あ、お疲れさまです! ちょうど肉が焼けたところです。

長島:さわや書店フェザン店(現在は上盛岡店)の
小西さんが登場です。

松本
:生でいいですか?

小西(さわや)
:じゃ、いただきます。

田口:もうどんどん食べちゃって。

長島
:ガンガンいっちゃってください。

田口:そういえば録音してるんですか?

松本:このへんで止めていいんじゃないですか(笑)。

田口:肉を焼く音しかしてないよ。

一同:あはははは。

田口
:盛岡の焼肉は旨い、で終わるんじゃない?(笑)

松本この店が一番旨いですよね。

小西(中公):これですかね、特上。

田口:これがね~、もう。ほんとに。

長島:泣けるくらいの?

田口:叙々苑より旨い。

長島:叙々苑に行ったことないから、わかんない(笑)。

松本:われわれもないから(笑)。ま、食べてくださいよ。

一同:あはははは。

・・・というわけで、『今日の本 明日の本』掲載分はここまでで、
スペースが足りなくなっていったん終了。
さわや書店の松本さん、田口さん、小西さん、
飛び入りでお付き合いいただいた中央公論新社の小西さん、
どうもありがとうございました。

とはいえ、話はまだ続きますので、あとは「今日の平凡社」にて。
ただ・・・まとめ切れてなくて、ちょっとだけ時間をください。

■追記&おわび(2009年2月27日)
 「ちょっとだけ時間をください」と書いたきり、
 ぜんぜんできておりません・・・ごめんなさい。

「今日の平凡社」600回


はっと思い当たったら、「今日の平凡社」もこれで600回目。
少しずつ輪が広がっているようで、
知っている方も、存じ上げない方も、ありがとうございます。

400回目に気づいたとき以来、
区切りの写真を撮るようにしているのですが、
今回は白川静さんの『CD-ROM版 字通』から出力した金文です。

 今日之
 平凡社

となっています。

ちなみに400回目はこんな写真、500回目はこんな写真でした。

商いとは飽きないこと、と昔から申します。
今後も飽きずに続けますので、ごらんいただければ幸いです。

2008年12月10日水曜日

『白川静』重版できました!


品切れでご迷惑をおかけしましたが、本日、
松岡正剛さん『白川静 漢字の世界観』の重版ができました。
これから出荷となりますので、書店の皆様、よろしくお願いいたします。

なお、以下の順に『白川静』のサンヤツ広告が掲載される予定です。

 福井新聞・・・12月11日(木)
 西日本新聞・・・12月13日(土)
 信濃毎日新聞・・・12月17日(水)
 中国新聞・・・12月17日(水)
 河北新報・・・12月19日(金)
 新潟新聞・・・12月18日(木)
 静岡新聞・・・12月19日(金)
 神戸新聞・・・12月19日(金)
 中日新聞・・・12月21日(日)
 東京新聞・・・12月21日(日)
 北海道新聞・・・12月22日(月)
 東京新聞・・・12月27日(土)
 中日新聞・・・12月28日(日)

また、朝日新聞の定例全5段広告でも、大きくフィーチャーします。
掲載日は以下の予定です。

 首都圏以北・・・12月20日(土)
 名古屋圏~中・四国・・・12月21日(日)
 九州・・・12月22日(月)

『東京日記』第92回


川上弘美さんのウェブ連載「東京日記」の、
第92回が、ついさきほどリリースされました。

今回は・・・

ゴミ持ち帰り令。

平凡社のサイトのトップページよりお読みください。

対談まとめに必死・・・


さきほど『今日の本 明日の本』1月号の、
さわや書店さんとの出張ホッピー対談(1)をアップしましたが、
現在、2月号掲載の恒例「社長とこの1年を振り返る」対談をまとめ中。
今日終わらせないと、ヤバい・・・です。

ブログ更新する時間があるなら、まとめをやれよ~、
と自分に突っ込みを入れたくなるほど、ヤバいです。

ところで画像の左上にあるのは「おこしやす」という、
音声再生ソフトで、テープ起こし(いまはMP3ですが)に便利。

さわや書店さんと出張対談(1)

『今日の本 明日の本』巻末恒例の、ホッピー対談。
1月号に掲載された盛岡のさわや書店さんとの座談会、
その再録の1回目です。


田口:僕らが余計なこと言わないように(笑)、
最初に長島さんから趣旨説明を。

長島
:え~、本日は出張ホッピー対談ということで、
盛岡にまいりました。
さわや書店本店の松本さん、フェザン店の田口さん、
あと飛び入りで中央公論新社の小西さんに
お越しいただきましたので、よろしくお願いします。
あとからフェザン店(現在は上盛岡店)の
小西さんもいらっしゃいますが、
ホッピーはあるんですか、ここ?

松本
:次行く店にありますよ。

長島:あるんだ、あ~よかった(笑)。

田口:僕は明日休みなんで、何時まででもイケますよ。

長島:僕も明日帰りなんで、もういいかな、みたいな(笑)。

松本:小西さんは明日の朝は何時に出発ですか?

小西(中公):6時40分発です。

長島:じゃ、飲まないと。あはははは。

田口:ホッピーのある店は5時までやってるんで、
ホテルに戻ってシャワー浴びてから帰れば、
ちょうどいいんじゃないですか。

長島:すさまじいですね(笑)。

田口:昔はそういう版元さん、けっこういましたよ。

長島:とりあえず生を頼みましょうか。

田口:この前のホッピー対談でも、生を頼んでましたよね。

長島:はい、すみません(笑)。

一同:はははは。

長島:ホッピーというのは酒を飲むための口実で。

松本:いい口実ですね。

長島:藤代という前任者が切り開いたというか、
グチャグチャにしたというか。

田口:でも、あれで平凡社を見直したよね。

松本:業界の魂を感じましたよ。

長島:あははは、汚れきった魂を。

田口:最近そういうことないじゃないですか。
書店のほうも、なんかみんなキレイで、スマートな感じで。
うちは伊藤さんからそんなキレイなこと教えられてないんで。

松本:泥臭く。地を這うように、ゲロを吐きながら(笑)。

田口:飲み会は仕事だって。

長島:すばらしい(笑)。
伊藤さんってあまりお飲みにならないって聞きましたけど。

松本:いやいや、盛岡に住んでたころは毎晩でしたよ。

田口:しかも、あの人は便利な機能がついてて、
一定の酒量になるとクシャミが出るんですよ。
「あ、おれ、もうダメだ。帰る」って。

長島:タイマーですか(笑)。

松本:それが12時のときもあれば、3時のときもあるわけです。

[生ビール到着]

まだほとんど本題に入ってませんが、続きは明日掲載。
さわやさんならではのディープな話が展開します。
お楽しみに。

日経BP編集局さまへ


ほとんど私信に近いエントリーで恐縮ですが、
日経BP編集局の竹内様、どうもありがとうございます
『大暴落1929』、タイミングばっちり合っちゃいましたね。

誰もいない真夜中のオフィスで写真を撮るのは、たしかに怖いです・・・。
本のバックに写っているオフィスの風景が妙にリアルでした。
なお、おれは昨晩、残業中にうっかりうたた寝して、
気がついたら真夜中でした・・・かなりピンチ。

年末進行がんばりましょう。

リンクはこちら→「こちら日経BP編集局」

2008年12月9日火曜日

日仏絵本文化交流原画展


日仏交流150周年を記念して、
日仏絵本文化交流原画展「絆 LIENS」が開催されます。

2007年の秋にパリで「いせひでこ絵本原画展“絆”」が開かれ、
これを機に親交が深まったパリのサイユ・ジュネス社の協力のもと、
初めて実現した、4作家による合同絵本原画展です。

『ヤクーバとライオン』(講談社)のティエリー・デデュー氏、
『世界一ばかなわたしのネコ』(平凡社)のジル・バシュレ氏、
あべ弘士氏、いせひでこ氏の4名が参加し、
200点以上の原画が展示されます。

■日時・・・12月17日(水)~25日(木)、11時~20時
■会場・・・東京芸術劇場 展示ギャラリー(豊島区西池袋1-8-1)
■電話・・・03-5391-2111
■入場無料

また、会期中に以下のシンポジウムも開催されます。

■会場・・・東京芸術劇場 5F大会議室
■総合司会・・・柳田邦男(実行委員会代表)
 通訳・・・船戸睦美・山本賢藏
■定員・・・各日100名
■入場無料
■事前の予約をご希望の方は、下記までご連絡ください。
  03-5395-3534(講談社幼児図書出版部)

◎12月18日(木)、15:00~17:30
  出演・・・ティエリー・デデュー(絵本作家)、
       フランソワーズ・マトゥ(サイユ・ジュネス社編集長)、
       あべ弘士(絵本作家)

◎12月19日(金)、15:00~17:30
  出演・・・ジョルジュ・メテリエ(人類植物学者)、
       いせひでこ(絵本作家)、
       山本賢藏(詩人)

詳細は「講談社絵本通信 イベント情報」をごらんください。

原研哉公開ゼミナール


好評発売中、『Ex-formation 植物』の刊行を記念して、

 原研哉公開ゼミナール
 『植物」をエクス・フォーメーション(未知化)せよ!

が、以下の概要で開催されます。

■日時・・・2009年1月18日(日)、18:30~20:00(開場18:00~)
■会場・・・青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山
■定員・・・120名様
■入場料・・・500円(税込)。電話予約の上、当日精算
■予約&お問い合わせ・・・青山ブックセンター本店(03-5485-5511)
■受付時間: 10:00~22:00
■トークショー終了後に、サイン会が開かれます

詳細は青山ブックセンターのサイトをごらんください。

原さんのお話だけでなく、本書のゼミ生の皆さんも出演し、
プレゼンテーションや、原さんによる講評も行われる予定。
武蔵野美術大学基礎デザイン学科の原ゼミを体験できる、
またとない機会です。

すぐに予定の定員に達することが予想されます。
年明けのイベントですが、お早めにお申し込みください。

『白川静』ランキング(9)

松岡正剛さん『白川静 漢字の世界観』のランキング、
今回は紀伊國屋書店さんの、12月1日(月)~12月7日(日)分。
いずれも新書部門です。

まず新宿本店
中公新書『日本と中国―相互誤解の構造』と並んで9位。


次に梅田本店、こちらは10位。


年末年始にどうなっているか、期待と不安が入り混じってます。
不安、というのは、もし在庫が切れたらという意味で・・・。

暦の都合で、この年末年始は休みが長く、
12月26日(金)に仕事納めで、27日(土)から社休日、
仕事始めは1月6日(火)から、となります。

ご迷惑をおかけするかもしれませんが、ご容赦ください。
・・・と不安になっている年って久しぶりかも、とか思ったり。

「亡びるとき」2題?


話題の本、水村美苗さんの『日本語が亡びるとき』(筑摩書房)。
「social web rambling」の12月4日のエントリーでも、
「断片的感想」が書かれていました。
他の人の議論とは異なる視点がひとつあって興味深いです。
(記事の中間あたりに述べられています)

毎日新聞では、池澤夏樹さんの書評を掲載。
ちなみに、おれ自身は「小説」だと思って読んでしまったので、
状況論的な感想はうまく書けないのですが・・・。

ところで話は変わって、
同じく「social web rambling」の12月8日のエントリーによると、

 WSJによるとシカゴ・トリビューン、シカゴ・カブス、
 LAタイムズ、ボルチモア・サンなどを所有するトリビューンが
 チャプター11申請ギリギリのようだ。

「チャプター11」とは日本の民事再生法にあたるものだそうです。
対岸の火事とは言ってられない、背筋の寒くなる話題。

■追記
やはりチャプター11を申請したそうです。
NIKKEI NET「米老舗新聞のトリビューンが経営破綻
負債総額1兆2000億円」

『SWAN』ケータイ版

先日もご案内しましたが、
有吉京子さんの『SWAN 白鳥』のケータイ配信が始まっています。
画面は、こんな感じです。



こちらからQRコードを取得し、アクセスしてみてください。
けっこうサクサク読めますよ。

表参道~西麻布界隈

先日、仕事で表参道から西麻布まで歩いている途中。

コム デ ギャルソンのディスプレイがクリスマス仕様に。


テーマは「CRYSTAL JOURNEY」だそうです。
照明を使ったインスタレーションは東恩納裕一さんか、と。

ところでコム デ ギャルソンといえば、
先日、知人が旅行先から送ってくれた写真がありました。


アントワープ・ファッションの中心地MODENATIEの一角にある、
アート、デザイン系の書店COPYRIGHTの平台。
手前の左から2番目に『アンリミテッド:コム デ ギャルソン』が見えます。
見本は表紙が反ってしまっていますが、
下のほうの本はビニールでパックしてある様子。

で、そのまま六本木通りに出て歩いていたら、
こんな店がオープンしていまして。


やすきよ・・・おれ(元関西人)の頭の中で、

 怒るデしかし!
 メガネ、メガネ・・・
 言うはやすし、行うはきよし

などという言葉がループしながら、つい写真を撮っていると、
警察官の方が、

 「おたく、関係者?」
 「いえ、面白い名前の店やなと思いまして・・・」

あやうく自分がやっさんになるところでした。
ストリートスナップが難しくなる一方の昨今です。

2008年12月8日月曜日

【書評】すき焼き通


今週の『週刊朝日』12月19日号の「新書の穴」で、
向笠千恵子さんの『すき焼き通』が取り上げられました。
評者は、諸般の事情により最近、
「肉抜きのすき焼き」が多いらしい青木るえかさんですが・・・。

 牛肉の力は偉大だ。
 ということを思い出してしまい、
 肉抜きすき焼きを食べようという気が
 失せてきてしまったのは誤算であった。

とのこと・・・が、しかし、

 あの割り下に煮られ、ときタマゴにまみれた
 長ネギ特有の味と香りは、牛の次にすき焼きに必要だ。
 と思っていたら、
 最後は千住のネギ市場探訪だった。
 さすが向笠さん、よくわかっていらっしゃる。

と結ばれていました。
青木さんのご意見に、激しく同感、です。
この冬はまだ、すき焼き食べてませんが・・・。

ありがとうございました。

こちら日経BP出版局


 ブログはじめます!

というタイトルで、今日12月8日(月)から、
日経BP出版局さんがブログをスタートされました。
題して「こちら日経BP出版局」

すでに4本エントリーされていますが、1本目の記事で、

 個人的にいつも楽しく読んでいる出版社のブログをちょっとご紹介します。

 ・今日の平凡社
 ・ディスカヴァー社長室ブログ
 ・Eijipress blog
 ・クラブ白水社

 こんなに充実した内容にできるかわかりませんが、がんばります!

と書いていただいていて、いやホントに恐縮です。
「充実」というよりも「乱雑」といったほうがふさわしいので。

・・・で、最後に、

 実は日経BPには、まだ100万部を突破した本というのがありません。
 こんなご時勢にこんなことをいうのもなんですが、
 いつか経験してみたい、ミリオンセラー。

ウチもありません・・・元気なうちに経験してみたいです。
これから楽しみに読ませていただきます。
ま、がんばりましょう、おたがいに!

「SUNAO SUNAO」第11回


100%ORANGEさんの月イチ連載、
「SUNAO SUNAO」の第11回がリリースされました。

今回のタイトルは「スナオとヒューマン・ボックス」。
ヒューマンビートボックスなら知ってますが。
安部公房の『箱男』でもなさそうだし。

平凡社のサイトのトップページから入って、お読みください。
バナーのオオカミは、友だちの「C君」です、ご参考までに。

2008年12月7日日曜日

文芸誌のロゴ


写真は12月7日(日)の新聞に掲載された、
文芸4誌の新年号の広告ですが・・・ん?
『群像』『新潮』のロゴが変わっている。

『群像』はここ数年、祖父江慎さんが表紙と目次のADで、
実物にあたってみると、祖父江さんのままでリニューアルでした。
ちなみに写真は石川直樹さん

『新潮』は大竹伸朗さんによる文字、と一目で判明。

ロゴといえば、『月刊百科』も1月号から微妙に変わります。
デザイナーはもちろん、服部一成さん。
近く表紙をご紹介する予定ですので、お楽しみに。

ちなみに『文学界』『新潮』2誌で、
水村美苗さんの『日本語が亡びるとき』をめぐる記事。
『文学界』は鴻巣友季子さんによるインタビュー、
『新潮』は梅田望夫さんとの対談です。

好きな出版社ランキング


『ダ・ヴィンチ』の1月号は、恒例「BOOK OF THE YEAR 2008」。
表紙は宮崎あおい、それはそれとして本の総合ランキングは、


 1位 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
 2位 『ゴールデンスランバー』
 3位 『流星の絆』

以下略・・・という結果ですが、いつも微妙に気になるのが、

 好きな出版社ランキング

というページで、20位までがリストアップされています。


 1位 講談社
 2位 新潮社
 3位 幻冬舎

以下略・・・平凡社、という名前は見当たらず。
いや、べつに、あの・・・いいんですけど。

話題を変えて。

『茗荷谷の猫』(今号の43ページに広告が載ってます)の著者、
木内昇さんの「今年の3冊」は、以下のとおりでした。

 『臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ』
 『かもめの日』
 『ディスコ探偵水曜日』

あと、「BOOK OF THE YEAR 2008」とは関係しませんが、
今号の同誌で、三浦天紗子さんが『茗荷谷の猫』を、
森健さんが『すき焼き通』を取り上げてくださっています。



来年もがんばりましょう(誰に向けて書いてるのかわかりませんが)。

2008年12月6日土曜日

加藤周一さん逝去


加藤周一さんが、12月5日(金)の14時にご逝去されました。
享年89歳。
心よりご冥福をお祈りするとともに、
編集長をつとめていただいた《世界大百科事典》の序文を、
ここに掲載いたします。


《世界大百科事典》の編集方針について

[現代は情報が多すぎて、また少なすぎる時代である]
 一般の市民は、新聞・雑誌・書籍・電波メディアの伝える情報の、いわば洪水のなかでくらしている。限られた時間のなかで、どういう本を読むべきか、選択は必ずしも容易でない。しかも情報の量は、どの領域でも急速に増大し、新しい事実が知られ、新しい概念が導入され、新しい仮説が提案される。非専門家ばかりでなく、専門の研究者にとってさえも、追いついてゆくことがむずかしいだろう。
 このような情報量の増大とその広範な伝達が成り立つための条件の一つが、政府機関や大企業が経営する大きな組織の活動であることは、いうまでもない。したがって、市民が受け取る情報のなかには、政治的または商業的な目的のために操作されたものもある。
 受取り側は、どう反応することができるだろうか。もし右往左往して、しかも受身に操られることを望まないとすれば、多すぎる情報を整理しなければならないし、特にみずからの立場に従って整理しなければならないだろう。
 情報または知識の蓄積の、もう一つの条件は、専門化である。研究者や技術者は、いよいよ細分化された領域で、またその領域でのみ仕事をする。そこでは、同じ領域の専門家の間でしか通用しない特殊な術語の体系も発達する。彼らの話は、素人にはわかりにくい。またたとえわかっても、市民が個人的にも、社会的にも、知りたいと思う事物の全体ではなくて、一面を語るにすぎない。情報の洪水のなかで、ほんとうに知りたいことについては、利用することのできる情報が、あまりにも少ないということになる。
 そういう情報の不足に対応するためには、知りたい対象の全体を念頭におきながら、部分的な情報をまとめてゆくほかはない。また専門家に、情報の正確さを犠牲にしないままで、しかもわかりやすく話すくふうを求めるほかはないだろう。
 百科事典が、このような現代社会の要請に応じるためには、従来の百科事典の改訂ではなくて、まったく新たに編集の方針そのものを考えなおす必要がある。この百科事典が、多すぎる情報を整理し、細分化された知識をまとめ、専門家の表現を非専門家にわかりやすくするために採用した方針は、次のようなものである。

[整理のために]
1――知識の体系については、中心的な概念の説明を重んじ、技術については、その原理を重んじた。たとえばコンピューターについて、論理回路の意味を懇切ていねいに解説し、その技術的な細部や応用範囲をできるだけ簡潔に述べる。これは幹と枝葉をはっきりと区別するということである。たとえ枝葉にめざましい変化があっても幹は変わらないから、この方針は、日進月歩の領域で、この事典の記述が古くならないということをも意味するだろう。
2――事典は執筆者または編集者の意見を発表するための機関ではない。しかし特定の立場をとらずに情報を整理することはできないだろう。この事典が基本的な立場としたのは、平和と民主主義と人権の擁護である。
3――また地域的には、日本を中心として、近きより遠きへ及ぼした。項目は、日本に近いほど多く、記述は、原則として、日本とのかかわりの深いほど詳細である。たとえば朝鮮半島の歴史・文化・社会にかかわる項目は、過去および現在の日本語によるあらゆる百科事典のそれよりも、はるかに多くを採る。また、たとえば西洋の人物や事件については、その日本とのかかわり(作品の翻訳、事件の影響など)をできるかぎり詳しく述べる。
4――整理とは分類であるが、この事典での分類は、必ずしも従来の慣習に従わず、しばしば叙述の効率を基準として、新しい分け方を用いた。たとえば、〈アメリカ合衆国〉という国名での記述を抑えて、地域や大都市の項目の記述を豊富にする。この方法は、またたとえばアフリカ大陸についても有効であろう。国境の意味は、人種的・文化的・言語学的・宗教的に、必ずしも決定的でない。

[まとめのために]
1――同じ地域の問題を扱うのに、専門領域を異にする委員会の学際的討議を重んじた。互いに関係のない専門的知識の並列ではなくて、その間の関係を求め、対象の全体が見失われないように努めたのである。
2――また地域に限らず、他の項目、特にたとえば動植物の名前などについても学際的な記述を重んじた。したがってこの事典は、動物学者の述べる〈鶴〉に満足せず、同時に民俗学者の語る日本の伝説のなかでの〈鶴〉を併記する。〈鶴〉に関する知識を、たとえば《夕鶴》の理解にも役だちうるようにまとめようとした。
3――事実と仮説とを区別したうえでそれを関連づけ、歴史と伝説とを峻別したうえでその関係を説明しようとした。伝説の重要さには特別の注意を払う。たとえば歴史的事実のほとんど何も知られていない小野小町や弁慶の伝説的人物としての役割を詳述する。

[わかりやすさのために]
1――科学技術上の概念を厳密に定義するためには術語を用いなければならない。しかしそういう定義に立ち入る前に、術語を知らない読者にも、近似的な理解、あるいは大づかみな要領の会得が可能になるような説明を与えることにした。今までの百科事典の、正確ではあっても難解な記述に閉口した経験のある読者は、この事典を見て、科学技術上の用語のおよその意味をたちどころに把握できることに、驚くだろう。
2――歴史的に、また地域的に、意味を異にする言葉がある。そういう言葉については、語義の変遷や地域差にも立ち入って説明することにした。その言葉を用いた本文の解釈を正確にするために役だつはずである。
 編集の方針は以上のとおりである。それがどの程度に実現されているかは、事典を利用する方々の判断にまつほかはない。この事典は、専門領域以外の事物について、早く、正確な情報を得たいと思う日本国民のだれでも利用することのできる道具である。道具が役にたつだろうことを切に願う。

《世界大百科事典》編集長 加藤周一

2008年12月5日金曜日

販促あれこれ

下の写真は、表参道交差点にて。
手前が、エビちゃんが移籍した『AneCan』の「号外」を配布する女性。
その奥の赤いニット帽のおじさんは、『ビッグイシュー』を販売中。


こちらは西麻布交差点にて。
文芸社さんの『血液型別 自分の説明書』が全面に。


どちらも平凡社では、いまのところやったことのない宣伝方法です。

『フィガロ』の読書特集


今日発売の『フィガロジャポン』は読書特集でした。
で、例によって平凡社の本は載ってるかな・・・と。

フリーライターの三宅菊子さんが松本章男さんの『西行』を。